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【週刊】ドル円相場分析と今後のシナリオ【2019/12/15】FXサンデーレポートvol.18

今週のドル円相場は108.450~800台のレンジで揉み合った後、一気に価格を押し上げ109.700まで高値をつけました。
週末は急な下落を見せ、終値は109.300台です。直近の高値である109.727を更新することができなかったと捉えることもできます。
週後半は「米中通商協議」や「英総選挙」によって、わりと波乱な相場でしたね。(特にポンド系)

109.700までの上昇の主な要因としては、トランプ大統領発言及び一部報道による「米中通商協議の進展期待」が考えられます。
・米中通商協議の第一段階の合意
・12月15日の関税発動の見送り

以上の2つのニュースが織り込まれ、期待感から一気に価格を押し上げました。その後、
・トランプ大統領のWSJの報道(関税引き下げの部分)の否定
→関税は維持、段階的引き下げ
・中国の会見:第一段階の合意について

などの発言・ニュースなどがあり、短期的に上下の激しい展開となりました。

これらのニュースを織り込んだ上で、週明けからはどのような値動きをするのでしょうか。「中国の米農産物購入」や「米国の関税引き下げ」などに関して、揉めているような発言・ニュースが流れると右往左往しそうですね。

それでは、2019年12月15日時点のドル円相場分析と今後のシナリオを考えていきます。

月足:12月2週目は下髭をつけて終了

日足以下の予測・分析では「月足レベルのトライアングル完成」→「月足レベルの上昇トレンドが始まりつつある」というメインシナリオを前提として行っています。
106円台まで落ちない限りは月足レベルで上昇トレンド(序盤)であると考えています。下図の赤線104.400ラインまで価格が落ちるとこのシナリオは破綻すると考えています。

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12月2週目は109.700まで上昇したものの、1週目の高値109.727には一歩届かず、109.300台まで下落して終了しました。

「米中通商協議の第一段階の合意」や「関税の段階的引き下げ」などの好材料を織り込んでもなお、110円台には慎重なようです。

週明けに注目しているのは
・109円台で押目をつけて、110円台の足がかりとするのか
・それとも、再び108円台後半まで押し戻されるのか

以上の2点です。

修正2波の途中or終わったかの2択が考えられる

先週のnoteでは、
Aシナリオ:修正2波の終盤である可能性(拡大型フラットC波形成か?)
Bシナリオ:修正2波が始まったばかりである可能性(波形は前回の時点で不明)

を予想・分析しました。

今週の日足の値動きだけで考えるとA・Bシナリオともにどちらとも言いがたい状況です。一方で、4時間足で副次波のカウント数を考慮するとBシナリオの方が優位性があると考えられました。

よって、今回は先週のBシナリオをメインシナリオとし、Aシナリオをサブシナリオとして扱います。

メインシナリオ:修正2波中である(フラットを想定)

メインシナリオは先週のBシナリオの続きとなります。

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上図のようにカウントすると上昇トレンドとして現われた「ダイアゴナル」は完成していると考えることができます。
そして、107.727からの下落をA波とし、今週の108.500台からの上昇分を
B波と考えます。

現時点でB波の終点が109.700であるのならば、「フラット」の可能性が大きいと考えることができます。
このような場合、次に形成されるC波はA波終点を目安に価格を修正するので、108.500台あたりまで下落する可能性があります。
また、C波が拡大した場合はダイアゴナルのフィボナッチ61.8%の107.850あたりまで下げ幅を拡大することも予想されます。

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「フラット」である場合、C波は上図のように副次波が5波動で形成されて下落していくと考えられます。
週明けに、週末の高値である109.700を越えない限りはこのシナリオが有力になると考えています。直近の大陰線が覆されない限りは、4時間足レベルの下落相場になるかもしれません。

また、副次波が5波動ではない3波動であり、108.500まで下落せずに上昇へ切り返した場合、「トライアングル」かサブシナリオの可能性が出てきます。
・トライアングルの場合:109.700をレジスタンスとしたアセンディングトライアングルの可能性(切り返しの上昇も3波動で終わる)
・サブシナリオの場合:109.700を明確に越えて(ローソクの実体で)、110円台へ上昇する

「材料出尽くし」や「新たな懸念材料」、「109.500~700で捕まった買い勢力の損切り」などで下落基調な相場になれば、メインシナリオに近い値動きが見られるかもしれませんね。

サブシナリオ:拡大型フラット完成→上昇トレンドへ

サブシナリオは先週のAシナリオの続きとなります。

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上の図のように波形カウントをすると「ダイアゴナル」が完成後、さらに「拡大フラット」も完成して、上昇の波形1を作り始めていると考えることができます。

週明けに109円前後で押目をつけて、次の上昇で直近の高値109.700台をローソク足の実体で更新すればサブシナリオが優位になると考えています。
一方で、週明けから108.500あたりまで下落基調であれば、メインシナリオに軍配があがります。

週明けの下落が109円前後で止まれば、上図のような5波動の上昇が考えられます。市場がリスクオンの状態で109.700を突破すれば、110円台までは割とすんなりと行く可能性もありますね。

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しかし、基本的に拡大フラットC波は「ダイアゴナル」か「インパルス」になります。「C波は5波動である」ので上図のように①~⑤の5カウントをしてみました。

①~⑤の作るチャートパターンが、まず「インパルス」ではないことがわかります。一方で「ダイアゴナル」かと言われてみればそれも考えにくいチャートパターンとなっています。

つまり、無理矢理カウントをしているため、サブシナリオの妥当性はかなり低いと考えています。メインシナリオ4時間足のようにA(a~c), B(a~c)と分割してカウントを進める方が妥当に見えます。

日足だけで見れば、メインもサブシナリオもどちらも妥当性があると思えますが、4時間足で見た副次波のカウント数や波形まで考慮するとメインシナリオの方が妥当性があると考えられます。

まとめ

今週は「英総選挙」のほか「米中通商協議についての発言・報道」など大きめのファンダメンタルが週後半にあり、乱高下する相場となりましたね。

週明けはメインシナリオのような下落を想定しておきつつ、「高値109.700の更新」と「110円台突入」に警戒した方が良さそうですね。

相場は「米中通商協議の第一段階の合意」のニュースを織り込みつつ、新たな情報・発言にどうのように反応するのかにも注意が必要ですね。(いったい合意に何段階あるんだろうか。。。)

個人的にはなかなかトレードが難しいと感じる相場が続きますが、めげずにぶれずに頑張っていきたいと思います。


以上、2019年12月15日時点でのドル円シナリオ分析レポートでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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