ベンツとロレックス

ナンパ男で自信がついたのか、時を待たずしてイケメン料理人へと続きます。

イケメン料理人は、わたしに新大阪のマンションを買わせようとして(不動産屋に紹介料でももらってるんか?)そんな財力はないとわかるや、LINEが既読にならなくなりました。少し傷付きましたが、婚活アプリでマンションを売られそうになるなんて、いいネタをもらったなぁと思うことにしました。(こちらも、いまだに彼が営む飲食店の食べログやインスタを覗いてしまうあたり、未練があるもよう。)


ナンパ男は「俺、Sだから」などと言って、会うごとに暴虐になる。

そんなときに婚活アプリで出会ったのがチャラ男でした。

待ち合わせに現れたのは、ベンツに乗ってロレックスをしてセカンドバッグにピタピタのTシャツに茶髪という、いかにもなチャラ男。小さな会社の社長の息子とのことで、わたしが勤めている会社のことを「すごい!大きい会社やん!僕、飛び込みの営業行ってぜんぜん相手されんかったで!」と言ってくれました。わたしは常々、「大学院時代の友達は大企業で研究開発してるのに、わたしは斜陽企業でお客さんのご機嫌伺いなんかして恥ずかしい」と思っていたので、そんな心の隙間にチャラ男はぐりぐりと入ってきました。自宅の風呂が壊れているという嘘丸出しの言葉に乗っかって、すぐに自宅に招き入れました。


それから2ヶ月ほど、Sっ気の強いナンパ男と甘々のチャラ男、というポテチとチョコを交互に食べるような日々を過ごしました。今思えばたのしそうですし、もっとたのしめばよかったのですが、わたしは抱かれた相手を好きになってしまって全て捧げたくなる頭よわよわ女なので、身体だけの関係はけっこう苦しかったです。自由でしなやかな女にはほど遠い。

ぼんやり思い出すと「あの頃は暴れてたなー(笑)」というミサワ感でしたが、書き出すと気持ち悪くて情けないばかり。





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