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事業戦略の立案

商品企画には、
事業部内の新商品企画と、
これまでの事業範囲でない新商品企画があると思います。

ともに、上位の事業戦略や全社戦略に基づいて商品を企画します。

今回は、この事業戦略や全社戦略を立案する場合に使える
フレームワークを紹介します。

既存事業へのリソース配分を考えるときに使えるフレームワーク

すでにある商品群、事業部のどこにリソースを配分していくか、
半期や年度で見直している会社は多くあるのではないでしょうか。

その際に役立つフレームワークが
・PPM
・ビジネススクリーン
の2つです。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)は、キャッシュ(資金)をベースに資源配分を行うフレームワークです。

キャッシュの必要性を市場成長率で、
キャッシュの創出を相対市場シェアで表し、
その二軸に既存事業をプロットし、資源配分を決めます。

横軸に、相対市場シェアをおき、基準を1.0とし、
左側の象限は、相対市場シェアが高い事業をプロットし、
右側の象限は、相対市場シェアが低い事業をプロットします。

縦軸に、市場成長率をおき、
上側の象限は、市場成長率が高い事業をプロットし、
下側の象限は、市場成長率が低い事業をプロットします。

市場成長率は、売上高なのか売上台数をみるのか、
基準値を何%にするのかは、分析者にある程度ゆだねられています。

相対市場シェアは、
自社シェア÷最大競争相手のシェア
で求め、値が1.0以上は、左の象限に、1.0未満は右の象限にプロットします。

また、プロットする際は、事業の売上の大きさを
そのプロットの円の面積で表現します。

この4象限のマトリクスですが、
左上が第一象限、右上が第二象限、左下が第三象限、右下が第四象限になります。

第一象限にプロットした事業は、
相対市場シェアが高く、市場成長率が高い事業です。
“スター”といわれる事業で、
入ってくるキャッシュも多いですが、投入キャッシュも多い事業です。
この事業の市場が成熟期となり投入キャッシュが減少すれば、一気に収益事業となります。
そこまで育て上げる事業になります。

第二象限にプロットした事業は、
相対的シェアが低く、市場成長率が高い事業です。
“問題児”といわれる事業で、
入ってくるキャッシュは少ないのですが、シェアを伸ばすため、投入キャッシュが多い事業です。
ここの事業をいかに、”スター”の事業に持っていくかがポイントです。

第三象限にプロットした事業は、
相対市場シェアが高く、市場成長率が低い事業です。
“金のなる木”といわれる事業です。
入ってくるキャッシュが多く、投入キャッシュが少ない事業です。
ここで稼いだキャッシュを第一象限と第二象限の事業に配分します。

第四象限にプロットされる事業からは撤退しましょう。

ビジネススクリーンはPPMと似ています。
横軸に事業単位の地位を、縦軸に業界の魅力度を取り、
各軸三段階にわけます。

事業単位の地位は、シェアや、相対的な収益率、競争上の優位性などを基準に選びます。
業界の魅力度は、市場規模や成長率、収益性などの項目が入ります。

PPMに比べ、その基準は分析者にゆだねられます。

このようにPPMやビジネススクリーンなどのフレームワークを使用して、
その事業や商品の位置づけを確認し、
どこにリソースを配分するかを決定します。

新規事業を創出する際に使えるフレームワーク

どの方向に新規事業を生み出していくかを考える際は、
アンゾフのマトリクスを使用します。

これも4象限のマトリクスになります。
横軸に新規の商品、既存の商品を
縦軸に新規の市場・顧客、既存の市場・顧客をとります。

第一象限が、既存商品を既存市場に販売拡大していく戦い方になります。
“市場浸透”と言われ、
同じ市場での新規顧客の開拓や、既存顧客のリピート率向上を狙います。

第二象限が、新規商品を既存市場に販売していく戦い方になります。
“新商品開発”と言われ、
既存顧客への販売商品を増やすことにより、既存顧客からの売上アップを狙います。

第三象限が、既存商品を新規市場に販売していく戦い方になります。
“新市場開拓”と言われ、
これまで工場向けに販売していた商品を、商業施設に販売していくなどが該当します。

対四象限が、新規商品を新規市場に販売していく戦い方になります。
“多角化”と言われ、
もっともリスクが高い戦略です。
したがって、産業用機械ならば、
すでにその市場で戦っているメーカーからOEM供給を受けて、
自社ブランドで販売し、まずは、投入キャッシュを最小限にして参入する方法がとられます。
そして、それがうまくいったら”新商品開発”で利益率をあげていきます。

アンゾフのマトリクスで、新規事業の大まかな方向性を決めたら、
具体的な戦略を立案します。

戦略は、たった一つの秀逸な戦略を立てることができるのはまれなので、
複数の戦略を立案します。

その戦略たちを、市場の魅力度と、競争優位を構築できる可能性の二軸で選定します。

以上のようなフレームワークを用いて、
全社戦略や事業戦略を立案します。

さぁ、今日も頑張りましょう!

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