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バイリンガルを目指すにあたって

一般的に「バイリンガル」という状態を考えるとき、ほとんどの場合、一つの言語がネイティブレベルでもう一つの言語はある程度支障がないところまでにコミュニケーションが取れるレベルまで達していることを指すことが多いです。

私の仕事柄、長年沢山のバイリンガルの方にお会いしていますが、中々本当に日英完璧にバイリンガルという方にはまだお会いしたことがないです。私の世代のバイリンガルの人たちは、まだそれほど語学学習環境も整っておらず、インターネットもない中で育っているので、右利き、左利きみたいにどちらかの言語の方が優位になっているケースがほとんどだと思います。

話しただけだと一見どちらの言語も完全に流暢な方はいますが、私は一番両言語の完全な取得が難しいのが顕著になるのがライティングだと思います。

コミュニケーションとアカデミックという2つのカテゴリー

先日、長年沢山のバイリンガルの方を育てているインターナショナルスクールの勉強会に参加しましたが、「バイリンガル」を考えるときに2つの段階に分けて考えると良いと教えていただきました。

1つはコミュニケーションレベル

2つめはアカデミックレベルです。(思考の軸)

バイリンガル教育は5歳くらいまでは遊びと生活を通したコミュニケーション力を第一に考えて良いのですが、小学校入学後くらいから少しずつ読み書きを通したアカデミック的な学習も求められるようになってきます。

2つのカテゴリーをどのように絡めていくか

私の感覚だと、1を最初に伸ばして、2で知識を固めるという感じなのですが、1ばかりだと何となくあやふやな感じで終わってしまうのです。

例えば、海外育ちのバイリンガルだとお母さんに教えてもらった日本語ですよね。ただ、この場合途中でアカデミックレベルの勉強をやめてしまうと思春期を境にかなり消えてしまうことが多々あります。

海外の人は多言語と言われますが、アカデミックレベルで固めなかったもう一方の語学がどこまで実際に通用するかは??です。もう一方の言語が日本語だったらレベルが測りやすいと思いますが、一般的に海外居住の日本人のお母さんたちが海外育ちの子供達の日本語を維持するのはモチベーションの問題もあり実際はとても大変そうです。

日本の方はアウトプットの練習をほとんどしないまま育っているので会話コンプレックスがありますが、会話の練習だけでもやがて伸びどまりが来るので、コミュニケーションとアカデミック両方で訓練していくことが大切です。

結論:適性を見極めて現実的な目標を設定し、無理をしない

今はインターネットの普及で、教材なども手に入りやすくなり、丁寧に用意された環境では2言語でアカデミックレベルネイティブのお子さんは稀に存在しますが、どのお子さんにも当てはまる現実的な目標ではありません。お子さんによって2言語の処理方法が全く違いますので、5歳くらいまでに状態をよく確認して、その後の教育の方針を決めていけると良いと思います。



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