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観てしまったノマドランド

野本響子さんのnoteで、「ノマドランド」がAmazonに入ったと知ったので、さっそくプライムで観ました。というか、「観てしまった」というべきか。

映画は、米国の厳しくも美しい大自然が常に映像に流れているので、その美しさに魅了されますが、描かれるストーリーはずっしりと重くのしかかってきました。

映画に登場する主人公のファーンをはじめ、登場する車上生活の人々には、不思議と悲壮感はありません。(日本のテレビドキュメンタリーであれば、ナレーションやBGMでそういう雰囲気に持っていくけれど)

顔がアップになれなければ、60年代のヒッピーの若者が楽しく集っているような錯覚をもたらします。実際に1960年代に10代、20代なら2020年は60年経過しているので、今70代ですね。主要な脇役であり、本人役で出演しているリンダ・メイとフランキーは共に70代ですが、発せられる言葉から、生きるエネルギーをとても強く感じる存在でした。

特にフランキーが語る亡くなった配偶者のエピソードには、ぐっと来ました。あかん、会社を辞めたくなってしまう。

ストーリーの中で、ファーンの状況を心配して施しを受ければ?とアドバイスする知人や、家に住めるような提案をする仲間が出てきます。それに対する彼女の判断も、考えさせる。

50年以上生きてきた中で、アメリカで起こっている事象は、10年位遅れて日本にやって来る事を知っています。核家族化、ダイエット、エコな生活、共働き、シングルペアレント、学生ローン問題etc...

そしていよいよ、「年金だけでは暮らせない高齢者が増える問題」がやって来るのか。日本も定年後にキャンピングカーや軽トラをキャンピングカーに改造して日本を旅するシニアが増えているという番組を観た事がありますが、さすがに日本の土地や道路事情を考えると、ノマドランドのようにはならないのでは。

この日、時間をずらして夫もこの映画を観たそうですが、「身につまされる」「フランキーのセリフが俺が考えている事と全く一緒やから怖い」と言っていました。

「バクダッド・カフェ」という映画が好きな方であれば、きっとこの映画も好きになれるかも。バクダッド・カフェに漂うファンタジー的要素はありませんけどね。

https://youtu.be/Vv2EsAxLe4c


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