見出し画像

306/「聴く力」の小さな治療室はゆるゆる続く

長年あん摩マッサージの仕事をしているが、

自分が揉み方がうまいと思ったことはない。

こういうとお客さんに非常に失礼だと思うが、

並みの施術者だと思う。

もちろん肩こりや腰痛を楽にすることはできるが、

「治す」ことはしていない。

特に特徴はないあん摩マッサージだけれど、

一言さんは少なく、一度来てもらうと年単位で通ってくださる方がほとんど。

次の予約を必ず入れてくれるし、

「また電話します」

といった人からは必ずかかってくる。

自分でも不思議だ。

彼女たちの何かをとらえているからなのだろうが、

それが「何か」はよくわからない。 

「施術ってそういうものなんじゃないか?」

と夫は言うし、私もそうなのかと思っている。

昨日お客さんから、

「ここに来るととても気持ちがいい。マッサージはもちろんだけれど色々話せてすっきりする」

と言われた。

施術中は話したい人とは話すし、黙っていたい人には話しかけない。

話していても聴く方が7割以上で、自分の話は時折する程度。

これはデイサービスで機能訓練の仕事をしているときからの私のスタイルだ。

同僚の中には利用者との関係をつくろうとして一生懸命に話していた人もいたけれど、

相手は「聴いてもらいたい」のだ。

場面を変えれば私だって聴いてもらいたい。

ここが肝になっているのかもしれない。

「聴くこと」はできているようで意外にできない。

真剣に聴きすぎてしまうと感情が入りすぎるし、

 何より疲れてしまう。

「適度に」聞いてあとは流していく。

印象に残った話は共有する。

そうして少しづつ信頼関係ができてきて、 
疲れた時や不安な時に身体に触ってもらうと気持ちよく解放されていく。

そんなメカニズムができていくのだろうか?

InstagramやFacebook、ブログで宣伝したこともあったが、 
そこに時間を使わなくなり久しくなる。 

時々思い出して連絡をくれたお客さんが常連になってくれる。

自宅の一部を使った小さな治療院は、大流行りはしないけれどゆるゆると続いている。

#66日ライラン
#day22
#毎日note

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?