314/白杖が挟まってしまって大爆笑した話
視覚障害者が手にしている白杖。
白杖ってどんな人が持ってどんな種類があるのか?
昨日全盲の友達どエレベーターに乗ろうとしたら、
友達が中に入ってこない。
手が離れて私一人が乗り込んでしまった。
「どうしたの?」
聞くと
「杖が挟まってしまって!」
という。
白杖が挟まるってどこに?
見ると、少し膨らんだ白杖の先が、床とエレベーター本体とのすき間に挟まっている。
彼女の後ろから盲導犬のおじさんがどんどん押してきて、
「待ってください!杖が挟まっちゃったんです!」
と少し大きな声で叫ぶ。
引っ張ればすぐに取れると思ったのに、全然動かない。
引っ張った感じが
「のれんに腕押し」
「ぬかに釘」
何回引っ張っても同じ。
なんで?と思ってよく見ると、
杖の上の方だけを引っ張ったから、
折りたたみ式の杖の中に入っている強力なゴムだけが
「ビヨ〜ン」と伸びている。
慌てて一番下を持ってぐっと上に引き上げると、杖はスポッと簡単に抜けた。
ずっと開くボタンを押してくれていた女性にお礼を言って、一番下の階で降りる。
この光景がおかしくて彼女と私はエレベーターを降りてから大爆笑。
まるでドリフのコントみたいに、
白杖の真ん中から上だけをビヨーンと何回も伸ばしていたわたしは、
かなりのおマヌケだ。
ドアを開けてくれていた女性は、
この光景を笑いたいんだけど視覚障害者の私たちに失礼と思って笑わなかったのかな?
実は押しながら下を向いてクスッと笑ってたのかな?
彼女の眼になる白杖を救出するのに精一杯で、周囲の反応を見ることができなかった。
それが残念!
ハイヒールを愛用されていた方は経験があるだろうか?
道路を歩いていて側溝のふたの穴や網にかかとがすっぽり入ってしまったこと。
今回のことはそれと同じことが白杖で起こった。
安全な手引きを常に心がけているが、
思わぬところに「穴」があるのだと気付かされた。
こういうことがあることを肝に銘じて、これからも楽しく一緒に歩きたい。
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