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宇宙に想いを馳せて夜釣りを楽しむ

趣味は?と問われたら、ふざけて暇つぶしと穀つぶしと答えることにしている。
実際にはアウトドア活動全般・・・歳とともに出来ることは限られてくる。

下手の横好きの釣り歴は50年以上。若い時は投げ釣りにも凝ったけど、最近は夜釣りの探り釣りに集中している。直近は7月初旬、いつもの漁港の防波堤へ。山登りに行っても、釣りに行っても、同じ山、同じポイントに集約されてきた。この方が年寄りには安全で間違いがない。

釣果もいつも通り、メバルやカサゴの小物ばかり数匹の中に、この日は滅多に釣れないアコウが・・・全て持ち帰って食卓に載せる。から揚げにしたアコウは上品で美味、さすが高級魚と舌鼓。

夜釣りを好むもう一つの理由は、竿を持った手に神経を集中しながらも星空を見上げて宇宙に思いを馳せ、好き勝手な妄想をすることが楽しくて仕方ないから。光の速さで行っても百億年以上かかるところってどんなとこ?・・・想像もつかない、考えるだけで気が遠くなる。太陽もそのうち燃料切れで地球にエネルギーを供給できなくなり、地球上の生命も絶える。しかし、心配することはない、数十億年後のこと。その頃には人類はとっくに絶えていて存在しない。・・・などという妄想を巡らしながら釣る時間が至福。

この数ヶ月で以下の本を読んだ。

① ホーキング 宇宙を語る
② ホーキング 自らを語る
③ 無限の宇宙 ジェーン ホーキング
④ ホーキング博士 人類と宇宙の未来地図 竹内薫

① はホーキングが、一般向けに宇宙を分かりやすく解説した・・・という割には、なかなか難解、半分も理解できてない。
② はホーキングの自伝。人となりがよく分かって面白かった。20代で難病を発症し、余命数年と宣告されながらも76歳まで生きた。結婚し、子ももうけ、離婚もし・・・偉大な学者でありながらユーモアのある、人間味溢れる悪戯好きの天才。親近感が湧いてきた。
③ は、最初の妻であり3人の子の母親でもあるジェーンの自伝。子育てに加え、次第に身体能力の衰えていくホーキングをいかに支えてきたかが、苦労話とともに克明に記されている。
興味深いのは離婚に至る過程の記述が、ホーキングの方は、ジェーンが目の前でジョナサン(支援者)とイチャイチャするのに我慢できなかったと、あっさり記しているのに対し、ジェーンの方は担当の看護婦のことを、意地悪く自分をホーキングから遠ざけ、それが離婚につながったと、詳細に・・・。その後、ホーキングはその看護婦と二度目の結婚をするが、数年で離婚している。
お互いの立場を主観的に書いているところが興味深い。
④ は、ホーキングの宇宙論を紹介し、人となりも含め伝記風に書かれている。第三者として客観的に。

夜釣りから宇宙の話に飛躍したが、釣りながら妄想するのは楽しい。
今の季節、孤高を感じさせる明けの明星が東の空に煌々と、寒ざむしく・・・。