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転職して3か月の男性が、3か月間の育休を取得しました


こんにちは、株式会社ベイジでWebディレクターをやっています、すらたんといいます。

2020年12月28日、双子の男の子が生まれました。
そして翌2021年の1月頭から3月末までの3か月間、育休として会社にお休み期間を頂いています。

もっと男性育休が普及すれば良いという思いと、入社3か月の新入社員に3か月間の育休取得を良しとしてくれた会社への感謝も込めて、経緯や思うところを書いていきたいと思います。

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※2021.1.16追記
公開後、タイトルやアイキャッチ画像など気になった部分を一部修正しました。


はじめに


育休に関する基礎的な話は、以下のリンクを参照ください。
会社は長期の無給休暇を与えて、その状態をハロワに申請するとそれ以前の収入に応じて給付金がもらえます。
ちなみに、よく書かれている「勤続1年以上が必要」というのは正確には「過去2年間のうちきちんと雇用されてて一定の収入がある期間が1年分」を指しているようです。給付金においては所属組織での勤続期間は関係ないみたい。

育休の期間を3か月としたのは、一旦首がすわってまず命の心配をするフェーズではなくなるだろう、と考えたからです。実際はそんなに甘い話ではないと後々知るのですが……。
でも3か月あれば、産後の妻のケアや昼夜問わず3時間おきのミルクをあげる時期も過ぎるので、最低限の安全は保てるのではと記事執筆時点の2021年1月現在では思っています。

※2021.1.16追記
本記事の公開後、Shimomuraさん(@split_kicker)から、もっと分かりやすい情報を共有頂きました!下記画像は厚労省が発行した資料ですが、黄色でマークした部分に、受給資格が勤続年数でなく過去の賃金支払日数だと書いてますね。Shimomuraさん、ありがとうございます!

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この記事で伝えたいこと

・産後の立ち回りほんとに大事
・育休は与えられるものでなく勝ち取るもの
・ベイジは素敵な会社です


どうして育児休暇を取ろうと思ったか


夫婦(家族)が心身ともに健康でいるために、必要だと感じたからです。

2016年に結婚して夫婦2人で暮らしてきた結果、生活を1つの運用プロジェクトのように捉えて日々話し合い改善しながら過ごす習慣ができました。
(大量のトラブルを経てそうなったのですが今回は割愛)

夫婦2人の場合、懸案事項は家事と仕事のバランス(あとはお金の話とか)が主なところでしたが、ここに妊娠、出産、育児。この新しいプロジェクトが加わった時、考えれば考えるほど男性の育児参加が必要だという結論になりました。

仮に夫がそのまま働き続ける場合、妻は少なからずワンオペで育児することになります(里帰りとかしない場合)。
ワンオペ育児が想像を絶するレベルで大変なのは、Twitterで少し検索すれば明らかでした。育児に関する嘆きツイートはとても多い……。

産後の女性の体は全治1か月くらいの傷を受けた状態だと言われています。
その状態でワンオペ育児を妻に強いるのかと考えると、なかなか精神穏やかではいられません。
しかもうちの場合は双子のため帝王切開です。腹切った人間が1週間だけ休んですぐに働き始めるってやばい。やばすぎる。

ちなみに産後の2か月間くらいを、界隈では産褥(じょく)期と呼ぶらしいです。
「褥」って。あなた。

先輩のママさん/パパさんから話を聞いても「産後すぐの対応が超重要!!」という意見が多かったです。産後の恨みはその後ずーっと引きずるらしい……怖すぎる。
※産後クライシスの本も読みました。ここでも同じこと言ってた


どうやって会社と調整したか?


実は、入社前(内定直後)から相談し始めました。
選考を受けてた段階ですでに双胎妊娠が発覚し、妻はつわりが来だしたころ。安定期にはだいぶ早いのですが、考えうる最も早いタイミングで相談することにしました。

会社として、社員が長期休暇を取るのはリソース配分だけ考えても結構なリスクであり、リスクが分かっているなら早めに開示した方が良いと、これまでのプロマネ経験から感じていました。

とは言うものの、さすがに社長(枌谷さん)に対していきなり「入社直後に数ヶ月休みたいです!」と宣言するのは勇気が必要で……。面談の直前に、別の方からこっそり頭出しだけして頂くようお願いしました(選考受ける前から何度か飲んでたため、連絡先は知ってた)。

その後、面談の場でおそるおそる切り出したところ、枌谷さんの返答は意外にも「全く問題ない」とのことでした。

「育休に、年次も勤続年数も貢献度も性別も関係ない」
「20代の社員も少なくない。ライフイベントと仕事のバランスはいずれ直面する話だと思っていた」
「入社後3か月なら、むしろ業務が本格化する前で良い面もあるね!笑」


正直とても驚きました。
申請する側としては「会社に貢献していないのに権利だけ主張するのはどうなんだろ、うーん……」と懸念があり、渋い顔されるのではと危惧しながら話を切り出しました。

ですが実際は上記の通りとてもフラットな考え方で、面談しながら密かに感動していました(この記事書こうと思ったきっかけもそこです)。

後日、この返答に感動してたと本人に伝えたところ「でもさ経営者として長期視点で論理的に考えたら、普通にそうならない?」とさらっと返されました。
しゅごい……!


相談にあたり気をつけたこと


制度を調べておく

会社の考え方が素敵だったのも大きい一方、自分で産後の事情や給付金の条件などを調べたことも成功要因の1つだったと思います。

男性育休は世の中にまとまった情報が少なく(勤続年数が必要って書いてる記事もあるし……)、会社もしっかりしたノウハウを持っているのは少数派なのではないでしょうか。ベイジも過去に育休取得事例はありましたが数か月間は初だったので、一緒に制度の詳細を調べながら調整していきました。

会社側も取得する側も、制度についてよく知らなかったり誤解していることで機会を逃してしまうこともあるかもしれません。育休欲しいと宣言するのが一歩、もう一歩制度について詳しく調べてみると、うまく進めていけると思います。制度を知っていれば相談する時の自信にもなりますし。
※その道のプロではないのでぼくの知識も偏っています。間違いがあったらすみません


要望は正確に伝える(不要な遠慮をしない)

これは調整ごと全般に言えますが、要望を相手に伝える時は理想のパターンを正確に伝えることがとても大事だと思います。

前述の通り、入社してすぐに数か月間の休みをお願いするのはとても勇気が必要でした。

会社に何の貢献もしていないのに権利だけ主張するのはおこがましいのではないか。付き合いが長い訳でもなく、信頼関係も築かれていない中でのお願いなんて。

でも、自分が主張しないことには、永遠に相手に温度感は伝わらないままです。
極論、「言いづらい」ことを言い訳に不十分な結果になり、そのまま産後クライシスが勃発して長期的な家族関係にヒビを入れるか、いま勇気を出して嫌われるか。
※嫌われる可能性も定かではない

家族との関係性は自分しか守れません。
相手が慮って「1週間でいいの?3か月くらい取らなくていいの?」と言ってくれるのを期待するか……それも違う。
やっぱり本当の要望をストレートに伝えるのが大切だと思います。
(別の話で、相手への気遣いとして丁寧にお願いする前提です)

また、折衷案も絶対に存在すると思っています。
育休取るか退職するか。そんなのあまりに極端で、実際は無限に調整の余地はあるはず。
相談される側も、正確な要望を理解しなきゃ効果的に調整など出来ないですよね。不要な遠慮は、双方にとってマイナスになる可能性が高いです。


さいごに


拙い理解と限られた経験の中ではありましたが、男性育休取得について思うところを書いてきました。
まだまだ男性育休を取ると言うと珍しがられる世の中だと思います。いかほどのインパクトになるかは分かりませんが、この記事が少しでも多くの家庭が幸せに子どもを迎えるための礎になれば幸いです。

最後に、1件記事を共有します。
男性育休について何も知らなかった頃、一歩踏み出すことが出来た記事です。もし興味を持たれた方がいれば、こちらも全力でお勧めします!
(有料ですが内容考えたら安すぎる……)


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