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男でも育児ウツになった話


こんにちは、株式会社ベイジでWebディレクターをやっています、すらたんといいます(イントネーションはつらたんと同じ)。

今回はいきなり重めのテーマですが、2021年2月~3月の中で、本気で育児に向き合うあまりに、一瞬精神が危ない状態になった話をお伝えしたいと思います。
Twitterでは割と普通に育児していたように見えていたかもですが、実は何度か危機に見舞われておりました……!

今回伝えたいこと

・育児で心がやられる可能性はすぐそこにあるよ
・男とか女とかは関係ないよ
・事件とかが無くてもジリ貧で陥るものだよ
・個人差のカタマリだから自分や親を基準にしちゃだめよ
・思いやりと推察をベースに話し合おうね


何が起こったか


育児も少しずつ慣れてきた2月頃、それはやってきました。
いつものように深夜の双子ダブル泣きに目をこすりながら対処していると、突然一切の思考力が無くなりました。

深夜のお世話はぼくの役割でしたが、寝ている妻を起こし加勢してもらうことに。妻を起こそうにも用件を言葉にできないため「あ、あの……来て!」しか言えない。
そのくせ「ものが考えられない」というやばい状態なのは認識しているため、ストレスだけが猛烈にたまる。
このままお世話を手伝っても赤子に当たる(下手したら暴力とか)と感じたため、一切を妻に預けて離れた寝室に避難しました。

でも、とてつもなく眠いはずなのに、ずっと動悸がして一睡も出来ません。
心を落ち着けたいのに、曖昧な思考が頭をぐるぐるします。考えるでも悩むでもなく、何かに漠然と焦るのみ。
一人でいなければいけないのに、一人でいるとどうにかなりそう……。

結局、妻がお世話をしている横で床で丸まって眠りました。ちゃんと眠れないけど。
朝を迎えてしばらくすると動悸はおさまったため、お世話を再開。
でも、相変わらずものを考えることは出来ず、大切なはずの我が子がクリーチャーにしか見えない。

さらに妻にヘルプを伝え、本格的に昼まで眠りました。1時間ちょっとしか寝ていない中お世話をする妻を尻目に……。
しばらく眠ると、少し回復した感があり、妻に感謝しながら二人で育児を再開しました。
今思うと、自分が大丈夫か判断する感覚も無くなっていたため、雰囲気で回復したと錯覚していました。絶対に回復していないはずなのに。


どう対処したか


同日の夕方、近くのぼくの実家に泊まるよう妻から伝えられます。
実家の母が来て泊まり込みでお世話をする段取りを、既につけていました。

申し訳ないのと、「今は回復した」という意識があったため少し渋りました。ですが、さすがに今の自己認識よりも、客観的な印象を優先すべきなのは分かっていたため、言われるままに実家へ行き、何も考えずお酒を飲んで好きなだけ寝る生活を2日過ごしました。

その後はある程度頭がすっきりして、限界の状態は脱することが出来ました。
久々に会う我が子は、ちゃんと可愛かったのでとてもほっとしたのを覚えています。
※うおー回復しきったぜ!って体感はありませんでしたが……


どうして起こったか


1.育児は完全なオフがほぼ存在しない

乳児育児には、オフ時間がありません。せいぜい子供が寝ている1〜2時間程度、それが一日数回。完全に育児を忘れて回復に徹することは、なかなか困難です。
双子の場合それがさらに激化して、完全なオフ=二人が寝ている時なので、さら時間は減ります。誰かに預けることで、ようやくまとまった休息を取ることができます。

なにか心が折れる事件があったから、精神がやられるのではありません。耐久戦で回復機会がないため、体力/精神力が継続的に削られるジリ貧構造になっているのがポイントです。
何か致命的な事件は無くとも、どこかで静かにHPが0になる。

2.妻の大変さを間近で見てた

女性は産後、ホルモンバランスが崩れて高確率で病むとされています。マタニティブルーとも呼ぶそうです。
妻も育児の疲労とマタニティブルーで相当やられていて、実は何度も「本当は子供なんて産まなきゃ良かったのかな…?」みたいな発言があったりしました。
それを見てたので「やばいやばい俺が全力でケアしなきゃ」と、意識下でも無意識下でも大きく気負っていたのかなあと思います。

3.男だから格好つけたかった

割といい格好したい性格なので、自分が消耗してること自体を認めたくなかったのかもしれません。
3ヶ月育休を取るような人間なのに、たまに昭和的な考え方があって「男のくせに弱音を吐くなんて…」という変なプレッシャーもあったかもしれません。(一時的にでも)降参宣言することに対して、妙な心理ハードルがあったのだと思います。


現在はどうか

それ以来、気をつけて休みを取るようにしています。
ここで大きく学んだのが、精神的に危険だと思ってからでは遅いことです。

精神をゲームのHPゲージだとすると、通常イメージするのは

10割以下:緑(全快)

7割以下:黄色(少し疲れた)



3割以下:赤(折れそう)

のような感じだと思います。
3割を下回れば、急いで回復して事なきを得ます。

ですが個人的経験では、

10割以下:緑(全快)
8割以下:黄色(少し疲れた)




1割以下:赤(折れそう)

くらいの印象です。やばいかも?と思った時には既に1割を切っているので、あたふたしているうちに限界に達してしまいます。


どう予防すべきか


1. 思ってる2倍、大事を取って休息しよう

前述の通り、自分の感覚はあんまり信用できません。「疲れるだろう行動をした」「自覚症状(ため息とか一瞬のイラつき)があった」などの事実をもとに、とにかく大事をとって休憩することが重要だと思っています。
疲れてないのに休息を取るのも少し抵抗はあるかもしれませんが、それが杞憂で済めば良くて、大事になってからでは遅いですよね。
疲れてないと思っても、乳児育ててる時点で絶対疲れてます。

感覚値、思っている2倍は大げさに考えて大事をとることをおすすめします。

2. 適度に子供から離れよう。その手段を準備しておこう

人によっては不都合な真実なのですが、ぼくの経験上、精神的に余裕が無いと子供をかわいいと思うことは出来ませんでした。「親だから責任持て」とか「愛情があれば大丈夫」って外野は言いますが、どれだけ子供がかわいかろうと極限状態では無理なものは無理です。ありがとうを食べて人が生活できないのと同じ話。人間なので、それは仕方がない。

子供をかわいがるために、むしろ定期的に子供と離れることが大事だと考えています。
例えばベビーシッターさんとか、一時保育施設とか、親戚を召喚するとか。
うちでは、これら合わせて平均週4日、4時間ずつくらいはサポートをお願いしています。
一時保育やベビーシッターさんの時は完全に手を離れるので、その時間はひたすら寝たり、用事があれば外で買い物したりしています。

※ちなみにいつもお世話になってるシッター会社はこちら


3. もう休め!って言ってくれる人を大事にしよう

体感したから分かりますが、自分で「今はやばいから子供から離れよう!」って判断するのはなかなか困難です。義務感/気負い/その他によって自分で自分の感覚をごまかしてしまう。
ぼくにとっての妻のように、客観的な判断で「もう休め!」って目を覚まさせてくれる人がとても大事です。
※言うは易しって感じですが、そういう存在は本当に大事です


やばくなったら


とにかく子供から離れましょう。
そして休息を取ったり、メンタルクリニックに行くことも有効だと思います。そして、渦中の自分の感覚ではなく客観的事実を基に行動するのが無難です。
精神がやばくなった時点で、自分の感覚は正常ではないため、経験上そのまま行動するとより危険になる可能性が高いです。

だめだと思った時のために、シッター会社を調べておき、電話一本で助けてもらえるようにする準備も有効ですね。以外とシッターさんをお願いするには登録やマッチング打合せなどの前準備が要るので、「お願い来てください!」って連絡できるように整えておくことが重要です。


まとめ


今回、育児鬱という自分の体験を取り上げました。

読んで頂いて分かる通り、育児をしていて鬱っぽくなるのは誰でも起こるもので、特別な病気ではなく過労に近いものです。普通の人が追い詰められた結果起こる、ごく当たり前の現象とも言えます。

そしてそれは、よく育児の主体になる女性だけではなく、頼られたい願望が強い男性も、案外なる可能性があります。
それは育児の大変さを直接体感した結果なので、何か瑕疵があるのではなく、むしろ育児に本気で向き合ったからこそ起きる勲章だと受け取ることも出来るかもしれません。

ちなみに、女性はこれにホルモンバランスの乱れという(ぼくら男性が体験したことのない)身体的ダメージも同時に対処する必要があります。魔王倒すだけでも大変なのに過去最高の状態異常も降ってくるってマジかよ。

すごい逆境の中、女性は育児をしているんだな……と思います。知れば知るほど頭が上がらないです。

現在は2ヶ月期ほどの大変さではありませんし、子供を保育園に通わせて距離を取りながら職場にも復帰して、うまくバランスを取りながら生活しています。

男性の育児鬱があることを発信したかったために今回は暗めのテーマで書きましたが、今後も育児や仕事の記事など書いていきます。


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