尾瀬二日目 山の鼻〜至仏山〜鳩待峠

朝5:30。部屋の外が少し騒々しくなる。
私たちは7時出発の予定だったのでまだ眠れる。

友達がトイレに起きて帰ってくる。

「めちゃくちゃいい天気だよ」

うそ!
飛び起きてカーテンを開けると青空が見えた。

至仏山は事前の天気予報では雨風が強い、登山には適さないC評価だった。

これは早く行くしかない。

急いで支度をして6時30分には登山口に到着した。とは言っても山小屋と目と鼻の先に登山口はある。
朝ごはんは昨晩用意してもらったお弁当。

早起きでお腹も空いていない。
今から登れば頂上付近が9時30分頃だしその時食べれば丁度いいか!と登山カードを記入して食べずに出発した。

二日目のスケジュール
6:30 山の鼻

9:30 至仏山頂上
↓ご飯休憩
10:10出発

10:50小至仏山頂上

13:00 鳩待峠

実際のタイムレコード
6:40 山の鼻

9:30 至仏山山頂

10:16 小至仏山山頂

12:05 鳩待峠

山の鼻から至仏山までは登り専用ルート。
ちなみに鳩待峠に着くまでトイレが無い。
登り終わった感想だけど、簡易トイレ使えるような場所もないのでご注意下さい。。


登り始めてすぐちょっと天気あやしいな?
と思っていたら7:00前くらいから本降りの雨になった。
急いでレインウェアとリュックカバーをする。

途中から足元が中くらいの岩ばかりになる。
雨で滑る。来るんじゃなかったなあと思う。
だけど引き返すことはできない。

7:20 森林限界に到達

ここを超えてすぐ、尾瀬ヶ原が一望できた。

写真だとあまり伝わらないのが残念だけど、天気が悪いのに絶景だった。来てよかったと思った。

このあたりから高山植物のお花がポツポツと増えていく

植物の名前が全くわからないのが残念に思った。

足元は雨水が流れて沢のようになっている。
岩もどんどん大きくなる。

8時頃、大きい岩場が現れる。
鎖がついている。
これを使えってこと…?

結構斜度がついているし雨で滑る。
怖すぎて鎖を掴みつつ岩も掴んで登るよく分からない登り方をした。

まあここが一番きついとこだろう!と思った。

全然違った。この後2、3個こんな感じのやつがあった。
辛かった。何なら足場はもっと悪くなった。

標高が高くなるにつれてどんどん植物の背丈が低くなっていく。

木の梯子を登る。
霧で数十メートル先は見えない。
心がすっかり折れて休み休み歩いているうちに前を歩く友達も見えなくなった。

雨の音しか聞こえない。

周りは花畑。
この辺りになると見たことない花ばかりになった。


昨日の尾瀬ヶ原とは違う天国だった。

山頂に着いたのは9:25。

雨も風も強くなっていた。

休憩するようなスペースも限られていて、気温も低い。早いところ小至仏山へ向かおう。

大した休憩も無く出発した。

至仏山から小至仏山は稜線歩き。

下から風が吹き上げてくる。
足場が狭く、一歩間違えたら滑落しそうなところもありひやひやした。

この辺りは雨風が強く余裕が無かったので写真が一枚も残っていない。

40分、下りの岩場が続き、最後少しの登りで小至仏山山頂に到着した。
至仏山山頂よりもスペースが無い。
先に進むしか無い。

レインウェアの袖は雨がもう染み込んでいて、手も少し悴んだ。


鳩待峠から登ってくる登山客とすれ違うことが増えてくる。

70代くらいのご夫婦、旅行会社の団体客、キャピキャピしたカップル。
あの道行けるか…?とお節介にも心配に思う。


小至仏山以降はそこまでキツく無い下りが続く。

途中ワタスゲの群生しているところもあった。
雨でちっともフワフワしていないのが残念だ。

ワタスゲの群生

段々と植物の背丈も高くなり、気温も上がってくる。

途中の木道では3回くらい滑って転んだ。

休憩ポイントはいくつかあって座ってはみたけどお尻は濡れるし、ちっとも休まらない。数分と立たず出発する。

黙々と歩く。

オヤマ沢辺りで手がパンパンに浮腫んでいたことに気づく。
最初は雨でふやけてるのかと思ったけど、手が腫れて痛かった。鳩待峠に着く頃には拳も握りきれないくらい腫れた。
普段ほとんど浮腫んだ事がない私には初めての経験だった。

浮腫んだ手。この時に気づく。
通常時の手

さらに歩く。

12:07鳩待峠に到着。
嬉しすぎて下山口で写真を撮った。

鳩待峠に着くと雨はほとんど止んでいて、陽の光も差していた。

レインウェアを脱ぐとTシャツまで濡れていた。


すぐに休憩所で味噌ラーメンを食べた。
ほとんど休憩もできず5時間30分歩き続けた体に染みる。


帰りは13:25の尾瀬戸倉行きシャトルバスに乗り、尾瀬戸倉のネイチャーセンターでお風呂に入る。

15時過ぎの路線バスで上毛高原へ向かい新幹線で帰った。


帰りのバスで登山、浮腫みで調べる。

原因は6つとのこと。
1.重力(リュック)
2.脱水(トイレ無いから殆ど水飲まなかった)
3.激しい運動(岩場めちゃ多い)
4.高所(至仏山は標高2,228m)
5.エネルギー不足(朝ごはん食べてない)
6.筋肉痛

全部じゃん…

ちなみに登山の消費カロリーを調べると

1分間の消費カロリー=体重×0.155kcal

今回私の場合だと、2,400kcal程度の消費…。
行動食でクッキー10枚くらい食べたけど、それでも400kcal程度。


浮腫みは体からの危ないのサインだったんだなあと反省した。


因みに翌日は足も腰も肩も腕も背中も筋肉痛で動く度に痛かった。

登山から3日経った今もまだ少し痛みが残っている。

登りきっての感想は、二度と登りたく無い。
でも至仏山は雨でも美しくて、晴れたらどんなに美しいだろうと思う。


きっと二度と登りたくないって気持ちを忘れてまた行ってしまうんだろうな。


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