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『母になる』(第4回日経星新一賞 最終候補作)

2016年に書いた小説で、これは自分の人生初のSF小説ですね。

星新一賞は第一回開催時に日経新聞の広告で知りました。グランプリの『「恐怖の谷」から「恍惚の峰」へ〜その政策的応用』がめちゃくちゃに面白く、印象的でした。

当時は他に知っている賞もなく、SFのショートショート挑戦してみたいな、と思って第4回の星新一賞の締切当日に電車に乗りながら三時間くらいで書いたのを覚えています。はじめて公募に出した小説なのでいろいろ拙いのはご容赦ください。改行や句読点の振り方からネットで調べてWordに落とし込んでいました。(原稿用紙の使い方を知らない人間だった)

【あらすじ】
 主人公のヒロカはヒューマノイド・ベビーシッターのマキと共に、自分が産んだアカリの育児に追われながらも次の子を妊娠していた。
 人見知りが始まるにつれ、アカリはヒロカを拒否し、ヒューマノイドのマキにばかり懐くようになる。自らの存在を否定されるかのようにアカリの心が離れてゆくことを実感するヒロカ。やがてヒロカの嫉妬心はマキに向けられ、娘の関心を奪い返したいと思うようになるが……。

星新一賞の一般部門は毎年1,500作くらいの応募があり、クリスマス前後に最終候補作が15作ほど発表されます。

自分が最終に残っていると気づいたのは年が明けてからでした。中間発表というものの存在を知らなかった。

この賞の最終選考に残ったおかげで自分の人生にも「小説を書く」という楽しみがあることを発見できたし、生きる糧になったと思います。サンキュー星新一賞!


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