青い紫陽花
いつの間にか梅雨が明け、季節は夏となっている、はずなのに今こうして紫陽花の写真を載せるのは、これを撮ったのが7月の初旬だから。梅雨はなんだかんだ言って、7月の中旬くらいまではなんとなく続く。
これは日暮里繊維街に行く前に、谷中霊園に入って撮ったもの。霊園で写真を撮るというのは少し気が引けるのだが、この日もとても暑くて日差しも強くて、霊園を通ったら少しは涼しいかなあという安直な考えでお邪魔した。石と木と緑が続いているので、少し涼しい。紫陽花も綺麗に咲いていて、これが更に青色だったので涼しく感じる。
これは新木場あたりで撮った紫陽花で、おそらく青色なのだが、枯れ始めて茶色が混ざっている。この横にある鉄の棒が涼しげで良い。と言っても、実際に触ったら太陽光をガンガンに浴びているので熱いだろう。何かこの見過ごされそうな、イマイチ絵にならない配置がとても気に入った。もっと奥に行けば良い紫陽花に出会えそうなものだが、最初に心に惹かれたものが自分にとって必要なものであって、あとはみんな同じ。どれも一緒。
これは晴海埠頭公園で見つけた紫陽花。地に這うように咲くのが良かった。海の近くに青い紫陽花が咲くというのも良いコンビネーションである。また地面が茶色というか赤っぽいので、炎を連想する。雨の季節に紫陽花を見て、また晴海埠頭に来ていて炎を感じる、というのはなかなか鈍感な奴には出来ない芸当である、と我ながら思った。
紫陽花は力強さを感じるので、ジメジメとした梅雨の空気の中で見ると、かなり魅力的である。特に青い紫陽花は、紫陽花の真骨頂だと勝手に決めている。冷たさの中に熱がある。水滴が付いていると尚良い。葉っぱの緑も、小学生の頃の絵の具に入っていたビリジアンという感じの色で、格好良い。光が透けると黄緑にも見える。
青い紫陽花を見ていると、私の青春を見ている気がする。
よろしければサポートをお願い致します。マガジン「一服」の資金に充てます。