室内

天気がよくてもこんなに寒いと、せいぜいベッドと居間の往復で一日を終えてしまうのは、私だけではないはず。

正月くらいいいだろう、それがズルズルと延びて、休みの日はいいだろうとなってしまう。これではダメだと思いながらも、外に興味がない時期というのも、これまた嘘ではない。

そういう時は室内を撮影する。

自分の好きなもの、見慣れたものしかない。それは何とも刺激のない空間だと思われるかもしれないが、そうではない。室内にいても、外の気配を感じ取れる。いや、外にいるよりも、外の空気が伝わって来る。

毎日同じだと思う光景であっても、微妙に違う。それは外の気配によって、室内が乱れる。本当に少しだけ、空気が変わる。その小さな違いに気付くことが私はとても面白いと思う。

祖母の何年着てるかわからない、くたびれたトレーナーに光が当たったこの瞬間を、捉えられることができたのは、ぐうたらな私にしか出来ないことだった。