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シーツという海に漂う生命体

シーツの皺を見ていると、海の波を見ているようだ。詩的な始まりだが以下、私がゴロゴロしてしまう言い訳が続くだけ。

さっきまで私が居た場所を見ると、思ってもみない跡が残っている。カーテンを開ければ窓からの陽射し、窓を開ければカーテンが揺れ影が変わる。気に入った皺や自然光が現れるまでわざわざ待ち、そしてiPhoneで撮ってモノクロに加工してSNSに残す。全く意味のないことをしていると感じる、そして生まれてよかったと思ったりする。こんなに意味のないことを出来る生命体が人間のほかにあるだろうか。いや、ない。

シーツの皺をめちゃくちゃにしているだけで終わる日もある。可笑しいのは、私に全く罪悪感がないということ。急ぎの仕事も特になし、天気が悪くて撮影もしたくない。私はひたすら、海に潜ってユラユラ漂う。横たわって窓から天気の確認、私が唯一することと言えばそれ。それだけであとは、風向き、風の強さ、色、今日の香り、車の音、人の声が全て手に入る。

太陽が落ちるのが早くなった。部屋が青色に染まってく。

#エッセイ #シーツ #モノクロ

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