これからの時代、広報・PR担当者はデジタルマーケティングを学ばなければならないのかもしれない。
※以下文章は、私のモヤモヤした頭の中をまとめることを目的に整理したものであり、誰かの行動を促すためのものではありません。
また、広報・PRに関する考え方は人によって多種多様なので、「へー。そういう考え方もあるんだー。へー」というテンションで見ていただければ幸いです。
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フリーランスのPRパーソン(兼ライター)として独立して早1年半。
主にスタートアップの広報・PR領域の部分をお手伝いさせていただく機会が増えてきたが、「売上に繋がってない」「問い合わせがこない」という現象がおこることがある。
そもそも企業の広報活動を行う目的としては、「企業が社会から見られたい像を描き、そう思ってもらうための活動」として私は当初から考えていたし、今でも企業の広報・PRを行う目的というのは変わっていない。
会社としてどう見られたいのかを言語化し、どんな露出を増やすべきか考え、プロモーションや『FACT BOOK』やプレスリリース等を活用し、その情報を書いている編集さんやライターさんを探し出し、丁寧にリレーションを行う。そして、掲載数や、メディアリストの更新、広告換算費等その会社の方針により行動の評価をする。
これが私が今までやってきた広報・PRとして動く範囲だった。
しかし、よく「テレビに頑張って露出させたけど、売上に響かなくて評価されない」と悲しげに話す広報パーソンの方に会う。広報側から見れば大きな功績を残している方も、企業からは評価されていないというケースがあるのだ。
その要因の1つとして、会社と広報で広報・PRを行う「目的」が違うからだと推測している。
広報界隈では露出を上げることで評価されるが、企業自体が「露出」ではなく「売上」を求めているということだ。
もちろん「露出」をしたことで「売り」につながるケースもあるが、会社として「露出」の先に「売上」を強く求めている場合、広報・PR活動を行う「目的」についても改めて考える必要がある。
なぜかというと、目的が「露出」か「売上」かで大分それに対する広報戦略や戦術も変わってくるからだ。
「売り」が目的になる場合は、マーケティング戦略のひとつの戦術として【売りにつながる露出】とはどんなものなのか、またそれは【どんな取り組みをアピールすれば露出】につながるのかを考えた上で、その露出に向けて行動し、「売り」につながる露出を獲得し「売れる空気づくり」を構築していく必要があると思う。
「はたして、本当に企業が求める広報像とはなんなんだろう・・・?」
ひとつひとつ掲載をとることに注力しながらも、会社として求めているものと自分がやっていることに対してすれ違いを感じるようになってきて、次第にモヤモヤと感じてきた。
旧来のPR戦術に懸念
そんな時、前職の時私にPRを1から教えてくださった有限会社m-crampの南さんと話す機会があった。
(「PR勉強会で登壇して欲しい」という旨を相談したところ「旧来のPR戦術に絶望/断念している」「次世代のPRを推進せねばならない」という話が出てきて、その流れで電話をする機会を作ってくださった。)
電話では主にこんな話をした。
・PR・広報という職種はオワコンになっていく。
・「売り」に繋げるPR活動を行うためには、デジタルマーケティングと共に動いていく必要がある。
南さんと話し終わったあと、私のモヤモヤと感じていたことが少しだけスッキリしたと同時に、このまま「フリーランスのPRパーソン」として活動していくことに焦りと怖さを感じた。
本来の戦略PRの考え方も「売れる空気作り」である。しかし、現在の社会状況上それを実現するためにはデジタルマーケティング学ばなければならない。
そして、Twitterで「マーケ勉強したいからお勧めの本を教えてください」と投稿し、提案された本を全部買ったのと、知人からコラーニングを提案されて、モニターとして体験することになった。
※コラーニングは8ヶ月でデジタルマーケティングについて学ぶコンテンツで、以下のようなものを学べるのでお勧めです。(私はまだ3ヶ月目のひよっこ)
最初デジタルマーケティングを学ぶ項目のひとつになぜ広報・PRが入ってくるのか疑問に思ったのだが、マーケを勉強してく中で次第にその疑問を消え失せた。
今までのPRとこれからのPR
「パブリック・リレーションの形が変化してきています。」
そんなことは耳が腐るほど聞いていると思うが、改めて超簡単に説明する。
従来の広報・PRの動き方と言えば、主に「メディアに掲載されるための動き」であった。
広報の勉強会や本を購入すると、いかにメディアに掲載されるか等のテクニックや露出されるための考え方を書いてあるケースが多いだろう。
しかし時代の変化と共に求められるPRパーソンが変わってきた。
時代背景はこんなところだろう。
①SNSやオウンドメディア等が発達し、「メディア」という概念が幅広くなった。
②メディア自体も「Twitterで話題の○○」「Instagramの投稿でこんなものがあった」等とSNSから取り上げるネタを探すようになってきた。
③SNSでモノを買う時代になってきた。
④企業から顧客に対しての情報発信として「SNS」や「オウンドメディア」を扱うようになってきた。
こんな時代背景の中、次世代広報の役割として「PESO」という言葉が拡がってきた。
・ペイドメディア(Paid Media)
広告、宣伝
・アーンドメディア(Earned Media)
プレスリリース、メディアリレーション
・シェアードメディア(Shared Media)
公式SNSアカウント
・オウンドメディア(Owned Media)
自社サイト
今後広報のあり方は、このような形で顧客・投資家・求職者とコニュニケーションを作っていくことになる。
次世代のPR手法はマーケティング領域と被る
しかし、上記の行動はマーケティングとどうしてもぶつかってきてしまう。
マーケティングを考える中で、
潜在⇒認知⇒興味⇒比較⇒購入⇒体験⇒初期継続⇒安定継続⇒愛着⇒推奨
という流れがあるが、ここに、次世代広報としての役割も組み込まれてくる。
マーケティングとは、買いたい気持ちづくり。(コラーニングで沢山聞いた言葉)
SNS、企業発信のオウンドメディア、人の紹介など、それらを見て人もメディアも動くようになった。だからそれは広報としての役割のひとつになる。よって、今後の広報パーソンにはデジタルマーケティング視点も必要となるのだ。
もちろんそれに合わせ、従来の広報・PRの活動も大切だ。
『誰が』『何故』『いつ』『それをやるのか』が時流と合わさっているものを瞬時に考えストーリー性を入れながら発信していく必要がある。これは広報・PRパーソンの得意領域である。
広報を入れる前に考えた方が良いこと
「広報担当者を採用して、テレビにガンガン露出させて売上をあげたい。」
そんな気持ちで私にお声がけいただく会社もとても多いが、もし露出の先に『売り』を求めているのであれば、マーケターを入れ、顧客分析を行った上で広報戦略を行う方が結果的に「企業が求める露出」につながるだろう。
因みに有限会社m-crampでは、デジマとPRを一緒に進めながらその辺をまるっとやってくれているらしい。URL:http://www.m-cramp.com/
また、パブリック・リレーションは全社員でやっていった方が良いので、社員全員がコラーングを実施しても良いと思う。URL:https://co-learning.jp
(PR記事でもなんでもないんですが、今回素敵な機会をいただいたのでちょっと宣伝してみる)
どっちみち、会社の組織的に広報とマーケティングがバラバラに動いているケースも多いようだが今後できればチームとして一緒に戦略を考えていくことをお勧めする。
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私も勉強している身分の中で恐縮だが、将来独立したいPRパーソンはデジタルマーケティングを学ばなければしんどくなってくる気がする。
なので私は年内は新規案件を一切受けずに、その分の時間をインプットの時間に当てる予定だ。(あと、今作っているセックスメディアも完成させたいしね)
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