7月1週目『ここはすべての夜明けまえ』
ライターの山口真央が、今おすすめのエンタメをご紹介!
今回紹介するのは、間宮改衣さんの『ここはすべての夜明けまえ』。
第11回ハヤカワSFコンテスト特別賞を受賞した本作は、星野源さんのオールナイトニッポンでも紹介されました。
おすすめするポイントを、3つに分けて紹介します。
①「SF×純文学」の斬新な切り口
このお話は、九州の山奥で暮らす主人公の一人語りで紡がれる、100年の家族史です。
なぜ主人公が100年の時を把握できるているのかというと
「融合手術」を受けて、見た目はずっと25歳のままなっているから。
と、設定はSFなのですが、主人公を取り巻く家族の問題や恋のことなど、物語には純文学のような切なさが漂います。
②ひらがなが多いのに読みやすい文体
表紙の文体を見てもわかるように、ほぼひらがなで紡がれる本作。
普通なら読みづらいと感じる形式も、間宮さんの感性に響く文体で、するすると読むことができます。文章を生業とする人なら、ぜひこの文章を体感してほしいです!
③宝物のようにしたくなる装丁
冒頭の文章を表紙に入れるという大胆なカバーを手がけたのは、
装丁家の名久井直子さん。
カバーの紙の質感はつるりとした紙で陶器のような質感があります。
「融合手術」を受けた主人公の、ひんやりとした皮膚感が
表現されていると感じました。
これは絶対、紙で読んで欲しい作品です!
本日もお読みいただき、ありがとうございました!
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