個展などに行く日曜

撮影の予定が急になくなって手持ち無沙汰になったから個展なんかにきてみた。ずっと見たかった作者の絵を生で見て、グッズなんかも買ったらサインなんかしてもらえて、すみません本人さんだったのですね気づかなくてすみません、なんて口では言えないから心で言って、周りを見渡せば男女の2人組ばかり。一人の女なんて私しかいません、みんな本当に個展を見に来ているのかしら。

美術館や個展なんてものに来るのは本当に見たいからでしょうか。友人が、私は美術館にいる自分が好きで、美術館に行くと言っていたけど本当にそうだと思う。みんなきっと、中身ではなく、そこにいる自分が好きできているのでしょう少なからず私も含めて。

人が沢山いるところに人見知りは本当に邪魔です。慌ててドリンクチケットを交換しようと個展も見ずまま先にカウンターに向かう。見ててもメニューは入ってきません、いえ、待って。アマレットの文字。

シシリアンキスがずっと飲みたいのです。江國香織さんの小説にでてくる、シシリアンキス。ずっと飲みたくてたくさんのバーで頼めるか根気強く聞いてみたりしましたが、アマレットにすら出会ったことがなかった。初めての対面。残念ながらシシリアンキスはなかったけれど、アマレットを手に入れることが出来ました。甘い、なるほど。

気づいたらカップルすらいません。私1人。みんな長居しないのね。私はここにずっと居られる気がする。展示になりたいです。今日はハンバートハンバートの虎ばかり聴いている。

恋人と喧嘩はしないけれど、たくさん大変なことを語り合ったりする。大小それぞれ人には問題というものがあって、私たちにも少なからずそれはある。何も関係ない部分で悲しくなったりするのは不合理な人間の性です、自分を疑うことも時には大事。

個展は女の子の部屋をイメージしてるから、本棚にたくさん本が並んでいて、何が並んでいるか見ようとアマレットジンジャー1口。私はきっと帰り道に同じように本でも買うのでしょう。一人で来たってカップルできたって変わらないようですね。

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