[今だけ無料]辛い過去は背負って生きるしかないという勘違いが生み出す『諦め』という亡霊に苦しんでいませんか?|ジブン解決マドリンネ婦人 File.0002-3
「多くの人は、時間は過去から未来に流れていると思っている。けれど実際には、時間は未来から流れている。そして、あなたは現在というタイミングで、その未来からの流れをどう受け取るか。それを今、生きることで学んでいるところなの」
……何? 時間が未来から……? ちょっちょっ、ちょっと待って、早い早い!
「ほーぅ、実にファンタジックな話だことで。時計は反時計回りに進むべき、って?」
……そしてまともに返さない、彼。
あ。それもちょっと、ふざける余裕まで……すごい。
「だから、あなたは未だに負の無限ループの中を彷徨っている。過ごしてきた過去ーー特に苦い経験は当然、これからの未来に影響し、背負って生きていかなければならないという勘違いが、『諦め』という名の亡霊ーー実態のないあなたを苦しめる存在ーーとなり、あなたの思考回路を占領してしまっているものね……それが良い証拠よ。けれど、事実は、過去から引きずっている勘違いをあえてまた持ち出して、別の未来も描けたはずのキャンバスに、あなた自身が過去と同じ展開を描いているだけ。……だから、手に入れたい体感を阻害する勘違いに気づいてしまえば、あっという間に変わるわ」
ちょっ! ヤバい、早いし濃厚すぎるし、強いて言えば、意味不明すぎ!! 何この人! ホントに人なの?!
「案外、心理カウンセラーみたいなこと言い出すんだな」
「これはジブン解決の議論ーー極空(ごくう)よ。主役のゲストはあなた。アタクシは何も選択しないし、ただただ、選択肢の幅を広げて、あなたの選択を待っているだけ」
「ハッ、ンで間違った選択肢選ぼうとしたら、どーせ誘導するんだろ?」
「あら、あなたは大人でしょう? 大人にそんな誘導なんて失礼なマネはしないわ。ただ……最大限、アタクシに見えている事実や状況解説を怠らない努力は惜しまない、というだけ」
「Professional としての意識はあるわけだ。ふーん」
……なんていうか、一瞬傲慢なクレーマー客っぽく聞こえたけど、そっか……早坂さん、確かめたんだ。この人が、本物かどうか。……ってことは、あの謎すぎる発言も、噛み砕いて理解できたってコト?
「百歩譲って、確かに過去の勘違いを、俺自身が不確定な未来に影響させてることは認めてもいい。その可能性はあるからな。ケド……勘違いに気づいたところで、俺は俺であって、別の誰かになれるわけじゃない。だから結局意味ねぇし、このループから抜け出せるはずなんか、ねぇんだよ」
……あ。ちゃんと、理解した上で返した!
それにしても、私には難しい……待って。
確かに言われてみれば、別の未来も描けたって表現はわかる気がする。だから、何度も同じパターンに入るのは、確かに何か、要因がありそう……。それが早坂さんの言葉で言う、『過去の勘違いを不確定な未来に影響させてる可能性はある』って認めたところだと、思う。
でも……そうだ。早坂さんの言う通り、たとえそれが勘違いだと気づいたところで、結局ジブンという人間が変わるわけじゃない。そんな小さな気づきなんかで、変われるはずなんか……。だから結局、負のループから抜け出せるだなんて……。
うん、やっぱりここは、早坂さんの意見に一票だな。
「あなたの心と体は、あなたが手に入れたい体感を既に知っているわ。ただ、あなた自身がその途中過程をどう進めばいいか、模索段階というだけ。そしてゴールから遠ざかっている時、あなたの心と体は反応して出来事を起こし、あなたにヒントを与える……『そうじゃないよ』と」
「ハッ……ンだソレ。おちょくってんの? もし俺がわかってんなら、もう手に入れてるはずだろ? それがわっかんねぇから、いつまでもこうモヤモヤと……あぁ! もう言っててウザくなってきた、ジブンのこと!」
早坂さんの言うとおり。そんな非現実的な話、信じられるはずがない! だって、彼自身の心と体がわかってるのに、じゃあなんで……?
「あなたの中に、心と体を理解しきれていない存在がいるでしょう?」
「ハッ?」
……ジブンの中に、自分を理解しきれてない存在? ンッ?!
「わかっていないのは、あなたの無意識。あなたの『当たり前』や『いつもの言動』を支えている意識の一部。心と体はわかっている。だからこそ、あなたは悩んでいるんですもの。悩みは、心と体と意識・無意識に矛盾がなければ起こらない。そして、無意識はいつでも変えられる。あなたが意識して、今この瞬間を選べばいいだけ」
……どういう、意味? わかんない……ここ、全然わかんないし、難しい……。
でも、なんだか……。私は早坂さんの背中から、少し余裕を感じました。それはまるで、彼女の謎に満ちた表現の奥に隠された意図を、理解できたことに対する勝ち誇った笑みかのような……。
「フッ……なるほどな。要するに、俺は未来、時間の流れに背を向けて過去にばっか囚われてて、それが無意識に……つまり当たり前になっちまってると」
あ……なるほど。そういう意味だとすると……ちょっと、『確かに』って思ってしまう、かも……。
「できなかった過去を、できないに決まってる未来につなげてしまっている様子からは、そう見えるわね」
『できないに決まってる未来』……そっか。さっき言ってた、過去の勘違いを持ち出して、また未来のキャンバスに同じことを描いてるっていうのは……そういう意味だ。確かに、そういう風にも、見える、かも……。
でも……だとして、本当に出口はあるの? それも、自分自身がそのゴールを知ってる? ……本当に? やっぱり、そうは思えない。
「それも嫌味な話で、既に俺の心と体は負のループの抜け出し方を知ってやがる。っつーか、だから今、そっちじゃねーって警笛ーーこのモヤッと不快な生き心地状態になってると。だから無意識にやってしまってる現実ーーいや習慣とかパターンって言うべきか?ーーを変えるには、意識的に勘違いに気づけばいい。なぜなら今この瞬間は常に、意識的になれば選べるから……っつーことだな?」
……スゴイ! 早坂さん、ホント頭の回転が早い。最初は茶化してたのに……。
「Exactly!(まさに!) わりとシンプルでしょう?」
「ハッ、忌々(いまいま)しいほどの理想論だな。まぁ時間の流れ云々はさておき、誰がなんと言おうと、俺の『恋愛不感症』は、もう手のつけようがない終わってる事実だと思うぜ?」
あ……『恋愛不感症』。彼は負のループのせいで、ジブンのことを『恋愛不感症』だと思ってるってことなんだ。そっか……彼は、恋愛感情がわからないんだ。
「いいえ〜、簡単よ♪ 勘違いに気づけば、あっという間にジブン解決。あなたはもう、これまでのあなたには戻れなくなるもの。次なる自分としての選択は、とても刺激的ヨ〜♪ だって、これまで知らなかった未知経験ーー冒険の連続ですもの。恋愛だって、心から楽しめるようになるわ〜」
「ハッ、まだ妙な期待を煽りやがるか……だいたい、あんたが俺の何を知ってるっつーんだ?」
「それにしてもあなたの無意識、どうしてもあなたを『恋愛不感症』に仕立てておきたいのね」
「っつーか、そうじゃなけりゃ、俺の今までの苦労は……。言っとくけどな、これでも俺だって、この体感をなんとかしようと手は尽くしたんだ。それでもダメだったっつー結果を持ってんだよ。だから、後からひょっこり出てきた、会って間もないあんたなんかの理想論を真に受けるほど、軽かねぇーんだよ……」
……やっぱり。この人、自分でなんとかしようとしたんだ。あれだけ色々言ってるんだもん、何もしてないはず、ないと思った。……で、ダメだったんだ。つまり、全く変わらないジブンにうんざりして……。確かに、そこまでしたなら、余計に変われるはずなんかないって思えて当然。実際、私も似たような経験の上で、今のジブンに苦しみつつも、どうしようもないって、諦めきってるし……。この人には、そういう残念パターンを生きてる人間の苦悩、伝わらない、んだろうなぁ……。
「うふふ〜、努力したのなら余計に素敵だわ! では早速、あなたの言う『恋愛不感症』があなたの勘違い、というところから始めましょう?」
あぁ、またそうやって、この人は! でも……本当にそんなコト言って、大丈夫なの? それがオオホラになったら……本当に、責任とれるの? そういうコト、この人は怖くないのかな? 期待がどれだけ失望やガッカリに直結してて、メンタルに来るか……相手の痛み、わかんない人では、ないと思うんだけど……。
早坂さん……どうするんだろう?
「ハッ……キレイゴトをまた。……いーぜ、やれるものならやってみろってんだ。俺のコレは、もう手に負えねぇーし……たとえ、どんなに強烈なあんたでもな」
早坂さん……口調は鋭いけど、でも私には『なんとかしたい。だからあんたに賭けてみる!』って風に聞こえた。そうじゃなきゃ、そんなに肩をこわばらせて、全身で緊張するはずなんか……。
……答えの模索に、本気なんだ。疑ってるけど、でも、本気。
「まずはそう思う理由からね。具体的にあなたがしてきたことと、それがどういう結論をもたらしたか、それをうかがいたいわ。おそらくそれらが、あなたの恋愛不感症が不治の病だとあなたをねじ伏せている最も強い根拠でしょうから」
そして、あの人も。言葉が鋭くなった。……本気、なんだ。
To be continued..
この物語はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。
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