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推しが名前を付けてくれて幸せな話①

私がK-POPにハマった当初はしばらく大手の茶の間をしていたので
対面ペンサに行ったり、ヨントンしたりするのは今の推しが初めてだった。

推しがデビューして2か月くらい経ってから初めて本国の対面ペンサというものに行った。


初めての対面ペンサ

詳しい友人も周りにいないし、某YouTuberの対面ペンサ動画を見たりしてわけもわからず韓国に向かった。

海外に一人で行くのも初めてだし、韓国語は少し勉強していたが全く話せないし、対面ペンサのルールみたいなのもわからないし、推しに会うしそれはもう緊張していた。

会場には受付時間よりだいぶ前に着いてしまい、ビルの周りをうろうろして時間を潰していた。
近くのカフェでペンサテム(推したちに持ってもらったり身に着けてもらうアイテム)を広げて楽しそうに話している4人組を見つけた。
きっとあの人たちも行くんだなーと思いながらお店の前を通り過ぎた。

しばらくして、行く当てもないので少し早く会場の中へ入った。
トイレに行くとちょうどそこにさっきの4人組がいた。
日本語を話していてどうやら日本人だったらしい。

鏡の前で話し込んでいるので、先にトイレから出ると

目の前に推しがいた。

歯を磨きながらこっちに歩いてくる。
それはまさしく推しだった。

サイン会の前に推しに会えるとは思ってもいなかったので固まってしまった。

初めて見る推しは背が高くて、写真以上に可愛らしくてイケメンだった。
あまりにも突然だったからよく見れなかったけど、今思えばもっとちゃんと見ておけばよかった。

歯磨きをしながらトイレに入っていく推しを見送って待機場所のロビーに移動した。

ロビーで準備をしている日本人に思い切って話しかけた。
「日本の方ですか?初めてでよくわからないんです。何回か参加されてるんですか?」
と聞いたら、「はい、何回か。誰ペンですか?」と返ってきた。
答えてくれた人は他のメンバー(Rくん)のファンだった。
4人組の中の一人が同担だった。そしてなんだかそっけない。
これ以上話しかける空気ではなかった。
非常に気まずい沈黙の中、受付が始まったのでみんなそれぞれに「あ、始まったー」と受付へと向かって行った。

初めてで何もわからないわたしは(たぶん、そういう感じなんだ。)ととりあえず受け入れて、受付をして見よう見まねで準備を進めた。

座席抽選の番号は30番。一番最後で一番後ろの列だった。
サインまでに時間があるのでよかったなとは思ったけど、たいしたカメラも用意せずに行ったのでとても遠かった。
フラットな会場で、前の人が被ってしまって埋もれているような状況だった。
並び順的にも推しが少し遠かった。

カメラの準備であたふたしていたら、ぬるっとメンバーが登場してきた。
こんな始まり方なんだと衝撃を受けた。
途端にカメラのシャッターの音が鳴り響く。

挨拶をしながら会場を見渡すメンバーたち。
きっと自分のファンの場所を確認しているのだろう。

推しは決まった方向によくポーズをとっていた。
マスターがいるんだろう。
埋もれている初めましての私の方を見ることはなかった。
声をかける勇気もない初心者はただ黙ってカメラを向けていた。

自分の番が近づきスタッフに声をかけられた。

列に並ぶと、いろいろ確認された。
パスポート、座席札、カンペの内容、スマートウォッチじゃないか、ペンサテムは何か、入念に確認された。

緊張しながら待っていると、2番目に座っているRくんがちょうど前に誰もいないタイミングだったようで、私に向かって笑顔で手を振ってくれた。
ガチガチに固まっている私に気づいて緊張をほぐしてくれたようだった。

そして私の順番がきた。

最初のメンバーはZくん。
すごく気さくで陽気で少し日本語も話してくれてとても楽しかった。
どのメンバーが好きなの?と聞いてきて、素直に答えていいものか迷ったが正直に推しの名前を伝えた。

○○はイケメン!!

と日本語で返してくれた。
「Zもイケメン!」「ねーさんキレイ!」と褒めあっていた。

2番目のRくん。ごめん。何を話したか全く覚えていない。
でもとにかく優しかった。

3番目が推しだった。
私はひたすら持ってきたものをテーブルに並べていて推しは無言でサインを書いていた。笑
今動画を見返してもおかしい。

あなたが推しだよって、直接伝えてないから自分のファンだって思ってなかったかも。
手紙を渡して、唐突に好きな色聞いたり、「ウィンクが世界一素敵!」とか言ったらウィンク3段ビームを目の前でくらって飛び跳ねてのけぞるくらいの破壊力だった。
推しは本当にアイドルだった。
覚えていなかったけど、多分最後に「サランへ」と言ったら

(日本語)愛してる。

と言いながらハートマークを作ってくれた。
そして

(韓国語)本当に(日本語)かわいい。

と言いながらぐっと手を引っ張ってギュッと手を握ってくれた。

この時から推しは(営業トークとして)かわいいって言ってたんだ。
と今更気づいた。

他のメンバーとのサインも終わり最後の私が自分の席に着席すると撮影タイムに入った。
私は出遅れて何も撮れなかった。
そのあと1曲踊ってくれた。

撮影タイムも曲の間もそのあとも、推しはやっぱり決まった方向のカメラを見ていた。
その人が推しの手のひらにハートを書いたようで、それをその人に向けていた。
(ああ、きっとオキニがいるんだろうな)
通っている人はこういうファンサービスを受けれるものなんだ。
と初めての私はこういうものだと思って受け入れていた。

私の方は見向きもしなかった。
カチューシャを渡していて、後で付けるね。と言われたが、
いざそれを手にしたら誰だっけ?という感じでカメラをきょろきょろして定まらないまま違うカメラにポーズをとっていた。

今思うと結構ひどい。
初めてはこんなもんだろう、韓国語しゃべれないし、席一番後ろだし。
理由があったからその時は大丈夫だったようだ。

1:1の時はとにかく対応が良くて終わった後の自分を振り返ると推しにメロメロだった。笑
それだけ、その時間が充実していた。前後がどうだったか気にならないくらいに。


この対面ペンサの後、数回のヨントンと2集カムバでの対面ペンサ数回を経てその日を迎えた。

続く。




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