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子宮へ

誘ってもいないのに毎月毎月律儀にどうも〜と、程度に波はあれど頭痛や腹痛を引き連れて始まる生理。
妊娠しないと受精卵のために準備されていた子宮のベッドが剥がれる仕組みらしい。
小学生の頃から生理は始まっていたから、そこから何度も何度も子宮はベッドを準備し、剥がし、を繰り返してきて、約16年の時を経て今回初めて使われた。

そう考えると、一度も使われてこなかったのに毎月せっせせっせと律儀にベッドを整えていた子宮が受精卵にすっごく長い片思いをしていたように感じて、愛おしい気持ちとちょっと切ないような気持ちにもなった。

妊婦健診でエコーを見せてもらう度にしっかりとあおさんは大きくなっていて、私の子宮は初めてベッドで受精卵を受け止めたはずなのに、待ってましたとばかりに立派な胎盤や臍の緒を作り、次々と身体を作りあげていった。
今までは教科書で妊娠のことを勉強しても、町で妊婦さんを見かけても、親戚の赤ちゃんを抱いても気が付かなかったけど、私の子宮は赤ちゃんを育てたことがないのに、なんでこんなにすくすく大きくしていけるんだ?って本当に不思議だった。

あおさんを産んだ後に、子宮から剥がれた胎盤を見せてもらうと、丈夫そうな卵膜と、ぷりぷりのレバーみたいな胎盤からがっしりと長い臍の緒がのびていた。
一瞬結構グロいと思ったけれど、私の子宮はこんなものを生成してあおさんと私を繋いで、こうやって私の手で抱けるまで成長させてくれたと思うと、今まで何の感情もなかった子宮が愛おしくてありがたくて、私の身体の中にあるすっごく大事なものに思えた。

私の子宮、あおさんに出会わせてくれて本当にありがとう。
今までせっせとベッドを整えてずっと待っていてくれてありがとう。
誰よりも先にあおさんを受け止めて、愛してくれてたんだもんね。
そしてまだまだ元気に活躍して私の大事なパートナーでいて下さい!
生理痛はほどほどで!

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