見出し画像

もう油断してませんか?熱中症の恐ろしさ。

今回は熱中症の対策についてをアウトプットしていきます!

熱中症とは?

熱失神、熱疲労、熱けいれん、熱射病これらの総称を熱中症といいます。主な原因は脱水症です。
体液を失って(脱水)体温を調節できなくなり、異常 をおこした状態。
通常は、体温が上昇すると、身体の熱を逃す反応が見られます。そして酸素や栄養素、老廃物などを体内外へ運びます。
脱水症になると、これらの反応が生じなくなります。よって、身体に熱を溜め込んでしまい熱中症になってしまうのです。

体温調節出来ないのは恐ろしいですよね、、、

脱水のメカニズムと、具体的な対策方法をお伝えしていきます!

◯脱水症のメカニズム

人は体重の2%の水分量低下で体温調節機能に影響を与えると言われています。(60㎏の人は、1.2ℓの水分量低下)

意外と少ない水分量低下で体温調節機能が狂っちゃうんですね。。。

脱水のメカニズムの前に、まず体温調節のメカニズムをお話しします。

・体温調節(熱を逃す)メカニズム
主に2つあります。①発汗による熱放散②末梢の毛細血管からの熱放散です。
①発汗は、皮膚上の汗が蒸発することで熱を放散する働きがあります。
②末梢血管は細かく散りばめられています。そのため、熱を手先や足先から放散することが可能です。末梢血管を拡張させることで深部体温の上昇を防いでいるのです。

主にこの2つによって体温が上がらないように調節しているのです。
では、脱水はなぜ生じてしまうのでしょうか?

・なぜ、脱水が生じてしまうのか?脱水のメカニズム
簡単に言うと、発汗により細胞外液の濃度が濃く(浸透圧上昇)なりそれを調節するために、末梢血管の収縮と発汗量の低下が生じてしまうのです。

人には身体を一定に保つ働きがあります。(ホメオスタシス)例えば、体温を常に36.0°Cに保つことや、血圧を常に一定に保つことがあげられます。
これが裏目に出てしまうのです。ホメオスタシスには、優先順位があります。体温調節より、血圧のほうが、血圧より浸透圧の方が優先順位が高くなっています。これは、おそらく重篤な障害を起こしてしまう要因から先に調節するためだと思います。
つまり、浸透圧の調節を優先したがために、発汗量の低下や末梢血管の収縮が生じ、体温を調節できなくなるのです。よって、脱水症を引き起こしてしまいます。

◯予防方法

次に予防方法を2つ紹介します。

①水分補給

先程行ったように、体温調節より浸透圧の方を優先して調節すると言いましたが、逆を言うと浸透圧を維持することができれば、体温調節が可能になります。つまり、水分補給を行い浸透圧を出来るだけ保つ必要があります!

ただ、ただ水を飲むだけでは行けません。
大切なのは、水とナトリウムと糖を同時に摂取することです。多くのスポーツドリンクは主成分が水とナトリウムでできています。そこに糖が加われば、腸での吸収を促進させ、効果的に水とナトリウムを摂取することができます。

・なぜ水だけの摂取じゃダメなのか?

汗の成分は、細胞外液の1/2~1/3のナトリウム濃度です。つまり、発汗すると細胞外液の濃度が徐々に上がっていくということになります。
そこに水のみ摂取した場合はどうなると思いますか?ナトリウムは下がったまま、浸透圧だけ改善されます。
浸透圧が改善されれば、口渇感は無くなってしまうので、必要な水分量を摂取することができず、脱水を引きずってしまうことになります。
もっと細かく言うと、温度が冷た過ぎる水分もよろしくありません。口腔咽頭反射と言う強い咽頭の刺激により、口渇感がなくなってしまう反射があります。

そのため、冷たすぎない温度の水とナトリウムと糖を含んだ水分を摂取しましょう!そして、喉の渇きに任せた水分摂取ではなく、意識的な水分摂取を心がけましょう!

②暑熱順化


簡単に言うと、暑さの慣れです。

継続的に暑い環境で運動することで、熱中症を予防するための様々な効果が得られます。

効果①:発汗の変化
・発汗量の増加➖特に四肢の発汗量が増えます。四    
        肢は放熱に適しているので、効率
        的だと言えます。
・発汗の閾値低下➖閾値低下により深部体温が上昇
         するとすぐに発汗できるように
         なります。
・Na濃度低下➖Naの再吸収を促進させ、汗のNa濃
                      度を低下させます。浸透圧を上昇し 
       にくくさせます。また、サラサラの
       汗になるので気化しやすく放熱に有
       利になります。

効果②:皮膚血管運動の改善
・皮膚血流量増加➖発汗の閾値と同様に閾値が下が
         り、皮膚血流量が増加しやすく
         なり深部体温が上昇する前に末
         梢からの熱放散を促します。
効果③:血漿量増加
・血漿量増加➖これにより心臓への静脈還流量が増
       加する。そして、運動時の心拍出量
       が増加し心拍数が低下する。
効果④:温熱感改善
・深部体温関係なく、温熱感による不快感が低下する。

・具体的なトレーニング方法
暑い場所(40℃程度)で60〜100分の運動を4〜5日間継続する。運動強度は最大負荷量の50〜60%です。
ポイントは継続することで、2日に1回のペースだと、効果は半減してしまいます。

そのため、熱中症を対策するために、暑さになれるよう心がけましょう!

◯まとめ

・熱中症の主な原因は脱水症で、脱水症とは細胞外液の浸透圧上昇により、体温調節が上手くできなくなった状態。
・水分補給は、水とNa、糖を含んだものを摂取。水だけを飲むと脱水を長引かせてしまう。意識的な水分摂取を心がける。
・暑熱順化で暑さに対応する身体機能を改善させる。40℃程度の温度で、最大負荷量の50〜60%の強度を60〜100分行う。頻度は4〜5日間継続する。

 今年の夏はコロナウイルス感染対策で緊急事態宣言が発令されています。そして、部活などは休止になっています。そのため熱中症リスクが上昇することが考えられます。
長期間の休みにより、暑熱順化ができていない人がまだ暑さが続く9月にいきなり高強度の運動をするとどうなるでしょうか?かなりリスクが高くなりますよね。
そのため、これらの対策を意識するだけでも熱中症を防げるのではないでしょうか?

参考文献
永島計:体温の「なぜ?」がわかる生理学〜体で感じる・考える・理解する〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?