紫式部ゆかりの地・福井県越前市に行ってきました
こんにちは!
よろづの言の葉を愛する古典Vtuber、よろづ萩葉です。
本日、北陸新幹線の金沢ー敦賀間が開業しましたね。
これによって東京からは乗り換えなしで福井まで行けるようになりました。
新幹線が新たに停まる駅に「越前たけふ駅」があります。
ここは金沢ー敦賀間で唯一の新駅です。
武生(たけふ)は紫式部が生涯で唯一、京都を離れて暮らしたことのある地なんです。
そんな福井県越前市に古典Vtuberの僕が行ってきました!
紫式部の生い立ち
越前市の話の前に、まずは簡単に紫式部の生い立ちを見ていきましょう。
紫式部は970年ごろに京都で生まれました。
父親は藤原為時。漢詩の知識がある学者でしたが、世渡りが下手で官位は低い下級貴族でした。
母親は紫式部が幼い頃に他界。
姉と弟がいましたが、姉も若い頃に死別しています。
弟は藤原惟規(のぶのり)。
勉強が苦手で、弟の横で紫式部の方が先に漢詩を暗記してしまって父親に「お前が男だったらよかったのに」と言われたエピソードは有名ですね。
(やがて惟規は和歌の才能を開花させます)
為時は花山天皇の家庭教師でしたが天皇の出家によって仕事を無くし、10年間無職でした。
そして、996年。紫式部が二十代の頃です。
弟は大学寮の学生となっていたので、この頃は紫式部と為時の二人で暮らしていました。
この年、為時の漢詩の才能を時の権力者・藤原道長が見出します。
すでに淡路守に任じられていた為時を、道長は越前守に任命します。
実は越前守には別の人が任じられていたのですが、越前では大陸からの使者を受け入れていたので漢詩の知識がある人材を求めていたんです。
越前は大国で報酬もよく、ようやく為時は官職を得ることができました。
※越前国は現在の福井県
この時、為時の身の回りの世話をするために紫式部も一緒に越前へ向かいました。
越前の武生(たけふ)という地に住んでいたと言われており、武生で紫式部が詠んだ和歌が紫式部集に収められています。
例えばこちら、
こゝにかく日野の杉むら埋む雪小塩(をしほ)の松に今日やまがへる
越前富士と呼ばれる日野山を見て詠まれた和歌で、都を懐かしむ気持ちが伝わってきますね。
都にしか住んだことがない紫式部にとって、越前の雪は慣れないものだったのかもしれません。
やがて紫式部は親子ほど歳の離れた藤原宣孝から恋文をもらい続け、結婚のため帰京します。
彼女が越前に住んでいた期間は一年ほど。
屋敷があった正確な場所はわかっていませんが、武生地区であると考えられています。
源氏物語では浮舟の母の台詞に「武生の国府」という言葉が出てくるなど、京都から離れた場所という意味で登場します。
ということで2023年の年末、
この紫式部が唯一京都を離れて過ごした福井県越前市に行ってきました!
越前市 武生
JR武生駅
JR北陸本線の武生駅に到着。
今までは大阪からは特急サンダーバード、名古屋からは特急しらさぎで行くことができました。
こちらは3月16日以降は敦賀駅までの運行となり、武生駅までは新幹線に乗り換える必要があります。
武生駅でまず見つけたのがこちら、花がたみ像という継体大王の像です。
継体大王は仁徳天皇から続いた直系の皇子が途絶えたために地方から迎えられた天皇で、越前の出身でした。
そしてこちらは越前打刃物の「昇龍」。
越前市で生産されている伝統的な刃物だそうです。
改札を出ると新幹線開業までのパネルが置かれていました。
新幹線への期待が伝わってきますね。
駅前には紫式部の上りがずらっと並んでいました。
この紫式部さん、なんとVtuberとして先日デビューされました!
こちらは駅前のお土産物店で購入した越前和紙と、スーパーで購入した水羊かん。
紫式部さんがたくさんいらっしゃいます!
他にも越前市は、だるまちゃんシリーズの作者である「かこさとし」さんと、子どもの水墨画で有名な絵本作家の「いわさきちひろ」さんの故郷でもあります。
駅前に看板がありました。
武生駅前でタクシーを拾って、紫ゆかりの館という資料館へ。
なんと決められた範囲内であればタクシー代がどこでも一律500円だそうです。(令和6年3月31日まで)
行き先によってはめちゃくちゃお得です!
この日は雪が降った数日後だったのでまだ雪が町中に残っていました。
タクシーの運転手さん曰く「16センチくらい積もって除雪車も出たけど福井ではそれくらい降ったうちに入らない」とのこと。
さすが雪国ですね…!
紫ゆかりの館
あっという間に紫ゆかりの館に到着…したのですが、
なんと年末年始のためお休みでした!!!下調べが足りてなかったです…
ちなみに駅前にあるはずの観光案内所も年末年始はお休みでした。
訪れる際はしっかり調べてから行きましょう。
中には入れなかったので外からの写真をどうぞ!
ここでは越前和紙で平安装束が再現されていたり、紫式部の生涯を辿る映像が上映されているようです。
そして紫ゆかりの館の横には、紫式部公園があります。
紫式部公園
ここは、平安朝の庭園の研究者が昭和61年に造った庭園です。
庭園内には源氏物語の登場人物を連想させる植物が植えられています。
見どころは、寝殿造の釣殿ですね。
釣殿というのは、(簡単に言えば)建物の南側の池に面してつくられた建物です。花見や月見といった宴を行う場所でした。
ここに座ると平安時代の貴族の気分を味わうことができます。
そしてこちらは紫式部像。
金色で美しいですね。
紫式部の視線の先には、彼女が和歌にも詠んだ越前富士・日野山。
ここからの景色は特に美しいと言われているそうです。
像の向かって右側には、為時と紫式部が武生に向かう場面。
向かって左側には、中宮彰子の息子の五十日の祝いの時に道長に言われて和歌を詠んだ場面のレリーフがはめ込まれています。
紫式部公園を囲む道路の地面には源氏香のタイルがありました。
越前そば(今庄そば)
そして越前といえば越前そば!ということで食べてきました。
越前そばは大根おろしが載っているのが特徴です。
かつて昭和天皇が立ち寄った際に食べて気に入ったことから、越前そばと呼ばれるようになったそうです。
僕が行った時はまだ完成前でしたが、現在は大河ドラマ館が作られています。
ぜひ合わせて訪れてみてくださいね。
福井駅周辺
武生と合わせて福井駅にも行ってきました!
駅の構内でまず恐竜博士とご対面。
こちらは有名な駅前の恐竜たち。
駅の壁画も恐竜で、迫力がありました。
福井県勝山市で多くの化石が見つかっていることから、福井は恐竜王国と言われていますね。
日本史好きとして、福井城址と柴田神社にも行ってきました!
柴田勝家だけでなく、お市の方と浅井三姉妹の像もあります。
お市の方と三姉妹にちなんで「美の神社」とも呼ばれているようです。
そしてやっぱり越前といえばカニ!
セイコガニを食べてきました。
普通のカニより小さい、メスのカニです。
卵が入っていてとても美味しかったです!
僕は内子(内側の卵)が好きでした。
福井名物のソースカツも食べました!
こちらもとても美味しかったです。
ということで、今回は福井県越前市武生を訪れた感想をお話ししました。
新幹線が開業してさらにアクセスしやすくなった越前市。
みなさんもぜひこの機会に紫式部の足跡を辿ってみてはいかがでしょう?
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