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D&AD2021 受賞作発表 今年のブラックペンシルは3本

国際広告賞の発表が続きます。世界一審査が厳しい賞としても有名なD&AD賞の受賞作が発表になりました。毎年、この中からカンヌの有力作が出てくる可能性も高く必見です。

グランプリに相当する最高賞のブラックペンシルは、今年は3本選出されました。

1つ目は、Spacial Design部門のPublic Spaceカテゴリーから、シカゴ市が行った"Boards of Change"が受賞。
警官によるジョージ・フロイド暴行死事件に端を発し、ヒートアップしたBlack Lives Matter運動。黒人市民たちの選挙登録と投票率の低さに悩むシカゴ市は、社会を変えるのに有効なのは投票である、と街頭にベニア板でできた特設投票ブース型インスタレーション(デザインは、黒人ストリートアーティスト達に依頼)を設置、ブースにプリントされたQRコードを読み込むと、投票権の登録や次の選挙の情報などが届く仕組み。史上最高の登録者数とその後の選挙の投票率アップを実現しました。

2つ目は、フィルム部門のArt Directionカテゴリーから、生理用品ブランドBodyformの#wombstories(子宮にまつわる話)が授賞。
"Blood Normal"、"Viva la Vulva"などで今まで語られてこなかったタブーを描いてきたBodyformは、今回も中絶や不妊など子宮にまつわる体験談を元に、実写と13人の女性アーティストのアニメーションをクロスオーバーさせたストーリーで、It's not that simple.(そんなに簡単な話じゃない)、あなたの話を聞かせて(#Womb stories)とつなげます。
ディレクターは、エミー賞受賞の女性映画監督のニーシャ・ガナトラ。

3つ目は、前回も紹介したマスターカードの"True Name"がExperiencial部門のCommunityカテゴリーで授賞。
トランスジェンダーの人たちは、クレジットカードに記載されている名前を確認されるとき、容姿と一致しない自身の名前でトラブルになることが多々ある。銀行が認めない限り、本名以外をカードに記載することはできないが、マスターカードの働きかけによりいくつかの銀行が承認。Chosen name(自分でつけた名前)でカード名を記載することを実現しました。

日本からの授賞は、Gold相当のイエローペンシルに、ブランディングカテゴリーのmotion部門でエンカレッジの"47 Internship"が授賞。

Silverに相当するグラファイトペンシルに、キャスティング部門のStreet Castingカテゴリーで、Nikeの"The Future isn't Waiting"。パッケージカテゴリーのRebrand部門から、関ファームの"Package of High-quality Rice"が授賞しました。

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