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D&AD賞 2021 イエローペンシル獲得の注目作②

引き続き先日発表になったD&AD2021のイエローペンシル受賞作から気になったものを。

Directカテゴリーから、アパレルブランドDieselの"Enjoy before returning"。オンラインショッピングで買われる衣類の40%が返品されているという事実(着てすぐ返す、という意味でwardrobingという新語まで生まれている)に、ファッション業界は頭を悩ませている。そうした現象に、ディーゼルらしい皮肉も込め、ファッションウィーク期間中、タグを付けたままであればいくら楽しんでもらっても返品可能と返品規約(Return policy)を変更、話題化に成功。セールスは24%アップ、返品率はなぜか9%ダウンするという結果も出た。

PRカテゴリーから、ニュージーランドAIDS基金の"The Baby that changed HIV"。AIDSは現在治療可能な病気であるにも関わらず、未だに過去から引きずられた偏見を持たれている。そこで、世界初のHIV陽性者でもドナーになれる精子バンクを設立。初めて誕生した赤ちゃんは大々的にニュースとして取り上げられ、AIDSへの偏見をなくすことに貢献した。

Mediaカテゴリーから、ビールブランドMichelob Ultraの"Courtside"。NBAのスポンサーであるミケロフは、コロナ禍で試合のライブ観戦ができない状況にマイクロソフトと連携、ボトルをスキャンすることでチケットになり、選手の隣にいるような感覚で観戦できるヴァーチャル体験を提供。124試合、延べ8150時間視聴され、売上も32%伸びた。

こちらもコロナ禍をどう切り抜けたかというアイデア。E-commerceカテゴリーから、街頭販売雑誌ビッグイシューの"Raising Profiles"。コロナによって街頭販売が出来ず販売員たちの売上に壊滅的ダメージを受けていた。そこで、常連購読してくれるビジネスマンたちをLinkedinで見つけ、販売員たちがデジタルでの購読を呼びかけ。リンクドイン上で更にネットワークが拡がり、デジタル購読が増えると共に売上も4倍を記録した。

ブランディングカテゴリーから、スナック菓子ドリトスのブラジルでのキャンペーン告知、"Doritos Wasabi"。ワサビと言えば日本ということで、日本のアニメからインスパイアされた奇天烈な世界で表現。全編意味が分からないであろう日本語で通しているところも不思議な世界感を倍増。

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