見出し画像

基本プレイ無料ゲームの課金のさせ方

みなさんは、基本プレイ無料ゲームをプレイしていますか?
昔のファミコンやPSなどの据え置き機の時代では、ソフトを買ってプレイするというのが当たり前で、無料のゲームというのはネットにあるブラウザゲームなどが主でした。Yahooキッズなどが例です。プーさんのホームランダービーは懐かしいですね。フラッシュが終了して遊べなくなってしまいました。

画像1

それが今の時代、基本プレイ無料のゲームはあふれにあふれています。スマホゲームはほとんど無料ですし、APEXVALORANTなど最近流行のPCゲームでも基本プレイ無料のものが増えてきました。
基本プレイ無料にするメリットとしては、ゲームを始める敷居がとても低く多くの人に遊んでもらえることが挙げられます。フレンドを誘いやすいのもいいですね。APEXをやっている人も、友達に誘われて始めたという方は多いのではないでしょうか。

画像2

それらの基本プレイ無料のゲームというのは、ゲームの購入で稼げない分ゲームの中のアイテムや月額のプレミアムパスで稼ぐ仕組みを取っています。
キャラクターのスキンであったり、バトルパスなどですね。
ですので、無料で始めたユーザーにいかに課金してもらえるかがそのゲームの存続に関わるということです。

こんな経験ありますよね?

さて、みなさんは「このゲームには課金したくないなぁ」や「このゲームは課金した人が強くなってつまらない」などと感じた経験はないですか?

ボクにはおよそ五年前くらいにやっていたスマホゲームがありました。当時は無課金でやっており、コラボキャラも無課金で引いて環境にも着いていけていました。しかし、ある日ある程度課金しないと手に入れられないキャラが登場し、もちろんそれが環境トップに躍り出たのです。そのキャラを引けなかったボクは「結局お金か」と思ってしまい、そのタイミングでやめてしまいました。

画像3

みなさんにもこのような経験はあると思います。
ではなぜこのような事態が発生するのでしょうか?

実は大事な無課金ユーザー

無課金ユーザーというのは、そのゲームにお金を落とすことはありません。だからと言って、ゲームの運営は無課金ユーザーをないがしろにしていいというわけではないと考えます。
なぜかというと、ゲームのユーザーの大半は無課金ユーザーか微課金ユーザーだからです。運営にとっての太客、つまり廃課金ユーザーは1%にも満たないでしょう。
ですので、無課金ユーザーや微課金ユーザーを無視したような運営や、課金額の差で不公平感が生まれる仕組みを作ってしまうと、ユーザーの人口が減ってしまい結果的にゲームの寿命を縮めることになるのです。

それではどういう課金の仕組みが正しいのでしょうか?
キーワードは"不公平感"です。

大事なのは不公平"感"

大事なのは不公平感を無くすことです。課金ユーザーと無課金ユーザーが公平でなくてはならないということではありません。
課金しても何も変わらないのであれば課金するメリットが無いですから、課金したユーザーがゲームを進めるうえで有利になるのは当たり前です。

不公平感が生まれない課金システムについて考えるためには、不公平になる課金について考えるのが手っ取り早いでしょう。

一番よくあるのは"課金が必要なキャラが強すぎる"という不公平です。これは先ほどのボクの例でも出てきました。
ほとんどのスマホゲームにはガチャがあります。新登場したガチャから出てくるキャラクターがとても強かった場合、そのたびにユーザーは、そのキャラを引けてゲームの環境についていける人と引けなかった人で、二分されるでしょう。
もちろん無課金で引ける人も一定数いますが、大半は引けないでしょう。
その時、多くの無課金ユーザーは「課金すれば有利になるじゃないかこのゲームは」と思うわけです。それが原因でやめてしまう人もいるかもしれません。

画像4

このような課金の手法をすると、無理に課金する人も出てくるかもしれないので一時的にゲーム運営は儲かるでしょう。しかし、愛想をつかした無課金ユーザーが離れていってしまうかもしれない諸刃の剣なわけです。
この手法はサービス終了間近のゲームによく見られますね。

キーワードは"時間"と"見た目"

では、どのような課金の仕組みが不公平感を与えないのでしょうか
ボクの考えたキーワードは"時間の課金""見た目の課金"です。

一つ目の"時間の課金"は、ユーザーの時間を節約する課金です。

スマホゲームにはスタミナという仕組みがあります。スタミナは時間で回復し、ユーザーはそのスタミナを使ってダンジョンに潜るわけです。
時間で回復するということは一日にダンジョンに潜れる回数は決まっているということですが、それでは足りない!もっと潜りたい!というユーザーはもちろん出てきます。その時にユーザーはスタミナに課金をするわけです。

一日に一回しか起動しない人もいれば、一日中やりたい人もいるでしょう。
この二つのニーズを吸収するのが、課金でスタミナを回復する仕組みです。
ゲームを進める速度は人それぞれですので、スタミナへの課金は不公平感にはつながりにくいのです。

画像5

二つ目の"見た目の課金"は、強さに影響のない見た目を変える課金です。

見た目の課金はAPEXがわかりやすいでしょう。
APEXはキャラクターと武器の見た目を自分好みにカスタマイズできるスキンという仕様があります。クリスマスやハロウィンなどイベントのシーズンには限定スキンが発売されたり、ゲームのストーリーにちなんだ限定スキンが発売されたりもします
スキンが変わっても戦闘には影響がないので、これも不公平感を生まない仕組みです。

画像6

クラッシュオブクランの場合

さて、ユーザーに不公平感を与えない課金の仕組みについて説明したところで具体例を見ていきましょう。

画像7

クラッシュオブクラン(クラクラ)はボクが5,6年前からやっているスマホゲームです。全世界で高い売り上げを上げており、課金の仕組みも素晴らしいので今回例に選んでみました。(決してステマではありません)

このゲームは、資源を他のプレイヤーから奪って自分の村を強くしていく、いわゆるリアルタイムストラテジーというジャンルのゲームです。
基本的には個人でコツコツプレイするゲームですが、クランというグループに入るとクラン対戦というクランメンバーと協力して戦うモードを楽しむこともできる非常に楽しいゲームです。

画像8

このゲームが持っている課金の仕組みには、時間と見た目の課金の両方があります。

時間の課金には、施設のアップグレードの時間を短縮させるアイテムや、研究の時間を短縮させるアイテムがあります。資源をそのまま買うこともできますが、これも他の村を攻める時間を買っていると言えるでしょう。

この課金システムの上だと、課金しているゲームを初めて一年の人無課金で三年続けている人の施設が同じアップグレード状況になることがざらにあります。
しかし無課金の人は、この傍から見ると不公平な状況で不公平感を感じることはありません。なぜなら、課金によってそのレベルに到達する時間は違いますが戦うときには同じ施設のレベルなので、かかっている時間はお互いにわからないからです。また、無課金でも時間をかければ十分最大レベルに達することはできます。

画像9

見た目の課金では、ヒーローというキャラクターの見た目を変えることができます。課金すると、旧正月やクリスマスなどイベントにちなんだ特別な見た目やボイスを楽しめます。
課金でキャラクターが強くなるということは一切ありません。スキンを持っていない人がスキンを持っている人を見ても「そのスキン持ってるんだ!いいね!」と思うだけでしょう。

画像10

以上のことから、クラッシュオブクランでは課金によりユーザーに不公平感を与えることはないと結論付けられます。

まとめ

今回は基本プレイ無料ゲームの課金の手法について考察してみました。

結論は「"時間の課金"と"見た目の課金"のみを取り入れ、無課金ユーザーに不公平感を与えない」です。

基本プレイ無料ゲームは買い切りのゲームとは違い、ユーザーがプレイを始めてからが勝負です。課金の手法を間違えると、人口の大半を占める無課金ユーザーが離れてしまってサービスが終了してしまう可能性があります。
ですので、世の中の基本プレイ無料ゲームの運営は気を付けて課金の手法を選定する必要があります。

以上です。今回も読んでいただきありがとうございました。

画像11

書いた人:まぬお
Twitter:@saintmanuo
Twitch:saintmanuo

ゲームの配信をやっているのでぜひ遊びに来てください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?