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プレミアリーグ第16節 マンチェスター・ユナイテッドVS.ウォルヴァーハンプトン〜不可解な勝利は○○するチームの特徴〜

お久しぶりです。色々あって少し時間ができたので、頑張りたいと思います。記事を投稿するのは凄い好きなのですが、なかなか時間が…というところでね。言い訳は置いといて、本題に入りたいと思います。レスター戦では終盤に得点され、勝ち点2を失ったものの、リーグ戦8戦負けなしと勢いに乗るユナイテッドの今日の相手は難敵ウルヴス。今期は混戦の中でヒメネスの離脱などもあり、少し順位を落としていますが、今季もビッグ6相手には3勝1分1敗と「やりづらい相手」には変わりません。今日もユナイテッドにとっては難しい試合となりました。ユナイテッドのスタメンについて気になるのはボランチ2枚の変更で、ローテーションもあると思いますが、引いてブロックを作ることの多い相手に対してはこの2枚で、プレッシングが重要になる試合や対ビッグ6やレスターなど、ユナイテッドの非保持の局面が増える試合ではフレッジとマクトミネイ使い分けているのかもしれないですね。

序盤に主導権を握ったのはビルドアップが機能したウルヴス

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ユナイテッドのプレッシングのプランは3バック+ダブルボランチのフォーメーションを取る相手(ブライントンなど)に対して行う従来のプランと変わらず、以上の概念図のような形の4-2-3-1でのプレッシングを敢行しました。しかし、ウルヴスはしっかりとスカウティングして、このプレッシングを無効化でき、上手くビルトアップできていました。

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(少し図が複雑になってますが、左の文章をベースに読んでいただけると良いかと思います)

ウルヴスは上の図のように、ダブルボランチやヴィティーニャの列を降りる動きなどを利用しながら、両脇のCBにボールを預け、両WBやダブルボランチ脇に下りてくる2トップにパスを供給することで、ユナイテッドのプレッシングを剥がすことに成功し、序盤は攻勢を強めていきました。(5',6',10',12',13',21',22')

うまくいかないユナイテッドの定位置攻撃

まず、ウルヴスの撤退守備のプランを見ていきましょう。

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上の図のように守るので、ウルヴスの従来のかたちである5-3-2よりも中盤(ダブルボランチ)の脇のスペースは空く状況。つまり、ユナイテッドは相手ダブルボランチの脇の「時間」と「スペース」をどう利用するかということが、得点のカギになってくるということです。しかし、ユナイテッドはそのスペースをうまく活用できませんでした。

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例えば上の図のように左サイドで攻めている場合、相手のスライドが間に合っている(つまり、ダブルボランチがスライドしきれている)と、4対4の状況となり数的優位ができないので、「個の力」もしくはポジションチェンジなどの「ズレ」によってチャンスを作る必要があるが、前者はともかく、後者はユナイテッドの得意分野ではないので、中に人数をかけないままテレスのクロスがただただ増えるという悪循環に陥っていました。ユナイテッドの前半のクロス数は12で枠内シュートも1となっています。

上の図のオレンジで示したスペースを左サイドから、時間をかけずに使えることができれば、チャンスは生まれてくるという構図です。実際に34'にはそのスペースでAWBがパスを受け、ブルーノのシュートにつながるという場面をつくっています。後半はそのスペースをうまく使えるかが、得点のための課題といえます。

ユナイテッドは後半に「修正」をするも…

ユナイテッドは後半の頭からテレス→ショーの交代。次節のヴィラ戦でもベンチに入っているのを見ると、ケガではないのかなと。この交代によって、ユナイテッドは左サイドの定位置攻撃において若干の修正を加えます。

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後半からラッシュフォードに幅を取らせることで、相手ダブルボランチ脇を明確にブルーノに使わせることに。「いるべき場所にいるべき選手を配置する」理論でしょうか。しかし、この変更はアダマトラオレが後半から相手SB(ショー)に基準点を置き始めたことやそもそも相手のスライドが間に合っていれば、問題が起こりにくいということから、あまり効果的なものとはなりませんでした。

満を持してのポグバのライン間侵入

ユナイテッドは前半に機能しなかったプレッシングを、両SBの縦スライドを迷いなくさせるという「意識の面」での修正を加えたことで、48',60',90+2'とプレッシングを成功させましたが、根本の解決にはならず、定位置攻撃でもうまくいかない時間帯が続きます。しかし、一方のウルヴスもストロングである効果的なカウンターを発動できていませんでした。その原因は下の図にあると私は思っています。

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(出典:“who scored”より転載)

これはポグバのヒートマップです。右サイドに若干の偏りはありますが、基本的にセンターサークル付近が多くなっています。この試合ポグバは基本的に相手のライン間に侵入することはせず、マティッチとともに後方でのパスメイクに徹していました。ただ、65'のマルシャルの交代時に指示が出たのか、独断の判断なのかは不明ですが、69'のシーンからポグバが相手のライン間や相手のチャンネル(CBとSBの間)でボールを持つようになります。そしてこのポグバの役割変更により、前半に指摘したオレンジ色の「右サイドのダブルボランチ脇」でポグバが関わることによって、69',73',75',86とチャンスを演出しました。結果的に、得点にはつながりませんでしたが、ユナイテッドはこの時間帯からウルヴスのダブルボランチの疲れもあり、チャンスを作り始めることが出来ていました。

(下の動画の0:48[34']3:02[75']のシーンは相手ダブルボランチ脇をうまく使えた“崩し”となっているので、見てみてください!!)

(Youtubeチャンネル“DAZN Japan"さんより引用)

しかし、皆さんご存じの通り、後半の終了間際にラッシュフォードのシュートがサイスにディフレクトしてユナイテッドが試合を決めました。このような内容的には引き分けが妥当な試合で勝ち点3をとれるチームは優勝する可能性のあるチームの特徴かなと個人的には思います。去年のリバプールも内容的には勝利に値しないゲームでも、困ったときのセットプレーで勝ち切った試合も一定数あったと記憶しています。(まあ今日のカラバオもそうでしたがメンバー固定がひどいので終盤に取りこぼして、結局4位争いになるかもですね。)スコアは動きませんでしたが、攻守の攻防に見ごたえのある好ゲームとなりました。

ユナイテッド対ウルヴスっていつもこういう試合になるんですかね。昨シーズンもFAカップ含め4試合やりましたが、確かどのゲームもユナイテッドがリスクをかけて攻めないので、ウルヴスもまともにカウンターを打てずに、0-0で推移するという試合だった気がします。まあこれがジャンケン的なものなんですかね。今回は久しぶりだったので、内容も薄かったですが、この辺で。

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