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『舌小帯短縮症』の手術をしてきました【手術編】

クールビューティーな先生に担当していただいた結果、うっかり変な扉が開きそうになった手術編。始まります。

※この記事はあくまでいち個人が症状を治すにあたり、その経緯や経過を記録したものです。症状の詳細や治療の可否を医療知識にもとづき正確に記載したものではありません。本症状の詳細については専門の医療機関、医療施設等へのご確認をお願い致します。

前回(病院選び編)はこちら。

<1回目の通院(問診)>

さて、病院も決まって受付も済ませました。

私がお世話になった病院には「初診科」なるものがありましたので、まずはそこで症状の説明をしました。「舌の下にある筋が人より短いようなので治療したいです」と言うと、対応してくださった方はやや戸惑った様子(やはり大人になってからの治療は珍しいのかも)でしたが、しっかりと私の話を聞いてご対応してくださいました。

結果、「口腔外科」という科で治療してくださるとのこと。

説明してもらった通りに口腔外科へ向かいます。

そこでまた受付を済ませ、待つこと十数分。

「間貫さーん」と呼ばれ診察室に入ると、そこには


美人の

すごい美人のお姉さんが

すごいクールビューティーですごい綺麗なお姉さんが

座っておりました。


ぶっちゃけ大学病院ってお年を召したベテランのお医者様がたくさんいらっしゃるのかと思ってました(ド偏見)が、辺りを見回せば全くそんなことはなく、若い先生もたくさんいらっしゃいましたね。

それはさておき、学生時代から陰の者であった私にとって突然の美人さんとの一対一での邂逅というのはまーーーーハードルが高い。

ドギマギしながら案内された席へ座りますと、挨拶もそこそこに早速問診が始まりました。もはや目の前の美人医師に気を取られすぎて記憶があやふやですがざっくり以下のようなことを聞かれたかと思います。

・症状の確認(受付ではこういう症状だと聞いているけど、内容は合っているか?というところの再確認)
・紹介状は無いとのことだが、自分で調べてきたのか?(これは私が紹介状も何もなしに病院へ行ったので聞かれた内容だと思います。私の場合は「はい、自分で調べて来ました」と答えただけで終わったので、紹介状が無くても特に何の問題もないと思います。)
・その症状はいつ頃から気になっていたのか(舌小帯短縮症が気になり始めた時期、気になったきっかけ等を聞かれました。私は幼少期から気になってり、はるか昔に地元の歯医者で指摘されたものの治療はなく、その時からずっと気になっていること・喋る時に若干舌がもつれて話しづらいのが気になることを伝えました)

とまあ、いくつかの質問事項に答え、今度は実際に症状を見ていくことに。

診察台(歯医者でよく見るような治療用の椅子と同じ)へ移動し、舌小帯の状態や、舌の可動域についてを診られました。

ちょっと引っ張られたり、舌先をつまんで動かされたりなど今までにされたことのないことをされてちょっと変な感じがしましたが、この時点で痛いことは全くなかったです。

そして写真を撮られて、診察はひとまずおしまい。


次に手術の説明をしていただきました。

流れとしては、「①診察の結果、現状はこうなので」「②手術でこうします、注意事項はこれです」という流れです。大変シンプルですね。

私の場合、現状やはり人と比べて舌の可動域が狭いとのことでした。舌をベェッと出しても半分も外に出ず、舌を思い切り持ち上げても上顎に舌先を付けることができない。他人の力で舌を外に引っ張り出しても出てこない、という点から、やはり「舌小帯短縮症」の症状が見られる、とのことです。

なので、手術で短い舌小帯を切って舌の可動域を広げようね。ということになりました。

その後、手術の際に起こりうるデメリットについて説明を受けました。

「麻酔で術後数時間は舌が痺れます」とか「もしかしたら今後口周りに痺れの感覚が残るかもしれない」とか、「しばらくの間は少量の血が出ているがすぐにおさまる予定。しかし多量の出血が続く可能性もある」とか、「薬は痛み止めと化膿止めが出ます」とか。

色々と説明がありだいぶ不安でしたが、最終的には「いろいろ説明しましたけど、後遺症の可能性としてはすこぶる低いので大丈夫だと思います」とのことだったで、ちょっと安心しました。

そして手術の同意書にサインをし、手術日を決め、一度目の来院は終了。

次回はいよいよ手術の日です。


<2回目の通院(手術)>

手術の日、私は緊張して病院を訪れました。

前回のように受付を済ませ、口腔外科へ。前回と同じクールビューティー先生に呼ばれ、診察台へ移動します。

そこでふと気付きました。

なんか学生さんいっぱいおる。

私の診察台の周りに学生さんと思しき方々がいっぱい立っているのです。さすが大学病院、と思ったのと同時に、成人してからの舌小帯短縮症の手術ってやっぱり珍しいのか……。と思うなどしました。

自分が貴重なケースであり、これからいわゆる「教材」になるのかと思うと不思議で変に楽しい感じがしましたが、まあそれはそれ。

説明は前回受けましたので、早速手術へと入ります。

グァーっと倒される診察台。目元にかけられるタオル。正直超不安。

「舌上げてくださーい」と言われるがままにすると、「麻酔しますねー」の言葉とともに舌の裏にチクっとした感覚がありました。口の中(というか舌の裏側)に針を刺されたのは生まれてはじめてだったのですが、個人的な感覚としてはコロナワクチン打った時よりも痛かったです。普段あまり外気に触れないところだからなのでしょうか。

ここで一度起き上がりうがいをしました。なんかすでに舌の感覚が無い。

もう一度診察台を倒されて、さあいよいよ切っていくみたいです。

つんつんされて(多分)「痛みはありますか?」と聞かれたのですが、全く感覚が無い。麻酔ってすげーと思いつつ首を横に振ります。

そして医師二人ぶんの指が私の口内に突っ込まれ、何やら動いているような気はしていましたが、正直言って全くわからん。「これ本当に切ってるんです?」ってくらいの感じでした。

数分後、ひとりの先生がおもむろに私の舌先を掴みます。そして外へ導くようにぐーっと伸ばしていき……。

えっ? これどこまで伸びるの?

明らかに、今まで外に出すことの叶わなかった舌の部位が外気に触れていることがわかりました。というか人間の舌ってこんなに長かったの!?すっげー!という感動さえ覚えました。

そのままぐにぐにと動かされる私の舌。縦に横に前に後ろに動かされ、今まで触れることの出来なかったところに舌が触れているのがわかりました。

つまり、

切られた感覚は全くなかったのにいつのまにか舌小帯を切られていた。

な、何を言ってるかわからねーと思うが(略


などと、未知の舌の可動域に感動しているのもつかの間。

クールビューティー先生の声が無慈悲に告げます。

「はい、じゃあ傷口縫っていきますね」

……ええ、私は完全に油断していたのです。高を括っていたのです。

『切った時は全く痛みなかったし、縫うときも痛くないでしょ』と。

今となっては考えが甘いと言わざるを得ない。

何故ならば、なんか知らんけど縫うときだけめちゃんこ痛かったからそれはもう痛かった。理由は本当にわからない。舌小帯にはしっかり麻酔はかかっていたけど他の部位にはかかりが甘かったとかそういうことだろうか。医療に関しては完全など素人なので詳しいことは全くわからない。

わからないけれど、縫うときの針(?)が刺さる感覚かなり鮮明めちゃめちゃ痛かった。俺は長男だから我慢できたが、長男じゃなかったら我慢できなかったかもしれない。心の中の炭治郎もそう言っている。

「痛かったら右手上げてくださいね」とは言われていたが、そんなことをしても痛い時間が長引くだけだと知っているので手はあげなかった。でも痛かった。涙目だったし縫うときだけずっと眉間に皺を寄せていた。

そんな地獄も耐えれば終わりが来るもので、クールビューティー先生の「はい、終わりましたよ」の声とともに診察台が起こされた。長い戦いだった。時計を見ると15分しか経っていなかった。じゃあ短い戦いでした。

起きてから口の中をゆすいでペッとすると、口の中から赤いものがドロッと出てきました。「わ〜すごぉい、洋画のアクションものでしか見たことないやこんなの〜」と感動するのと同時に、ようやく「口の中を切って縫われた」という実感を得ることができました。

そんなこんなで、ひとまず手術は終了。

手術後のエトセトラについてクールビューティー先生から説明を受けます。

「今の手術で舌小帯を切って5針縫いました」とか「術前も説明しましたが、しばらく少量の出血があると思います」とか「縫った糸は生活していくうえで勝手に取れてしまうかもしれませんが、取れたら取れたで大丈夫です」とか。

(美人医師に真顔で「何針縫いました」だの「しばらく血が止まらないと思います」だの言われてなんだかうっかりおかしな扉が開きそうになるなどしましたがギリギリ大丈夫でした。)

余談はともかく。その後に重要なことをお話ししていただきました。

「確かに舌小帯を切って可動域は広がりましたが、それですぐさま滑舌が良くなるわけではありません。舌は筋肉の塊で、今まで産まれてからずっと使われて形成されてきたものであり、一朝一夕で変化するものではないからです。今まで使わなかった舌の筋肉を使っていくことで、滑舌や可動域は回復していく形になります」

とのこと。せっかく手術で舌小帯を切っても、動かす練習をしなくてはまた同じように短く接着してしまうとのことでした。

その後は抜糸の日程を決め、「お大事に」でフィニッシュです。

私はクールビューティー先生と手術助手(?)の先生、そしてたくさんの学生さんに見送られ、その日の口腔外科を後にしましたとさ。

手術編おしまい。

術後から抜糸についてはまた別途まとめますので、気になる方はそちらをご参照ください。鋭意執筆中です。

もしこの記事で気になる点や質問したい点などございましたら、コメントやTwitter等でお声がけをいただけますと幸いです。

Twitterアカウント:@baka_manuke_00

長くなってしまいましたが、そんな感じで今日はここまでです。

カラオケで「ららら〜」の歌詞を歌うときにだいぶ苦労なく歌えるようになったので正直楽しくて仕方ないです。人の舌ってすごいですね。

以上、間貫頓馬でした。

※この記事はあくまでいち個人が症状を治すにあたり、その経緯や経過を記録したものです。症状の詳細や治療の可否を医療知識にもとづき正確に記載したものではありません。本症状の詳細については専門の医療機関、医療施設等へのご確認をお願い致します。

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