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【両中性】僕がXジェンダーの理由

はじめまして。
僕はあーちゃんといいます。

現在は22歳、大阪芸術大学の美術学科3年生。

昨日、僕はあるレストランで1人で食事をしていました。隣の席には若い女性が2人。
僕はもう食べ終わって帰ろうと思い身支度をしていました。
その時に、隣の女性達が「お冷を頂けますか?」と店員さんに言い、店員さんはすぐにお冷を持ってきて2人に注ぎました。

丁度僕も飲みたかったので、
「僕もお冷頂けますか?」とたずねました。
店員さんは「はい。」とお冷を入れてくれました。

しかし、若い女性2人は少しびっくりして僕の顔や服装をバレないように(してたつもりなんだろうけど)覗き込んで不思議そうな顔をしていました。
2人の女性の、一定の微妙な空気を感じとることができました。

おそらく僕が「わたしもお冷頂けますか?」と言っていたら彼女達は気にも留めなかったでしょう。

彼女達が不思議がったのは、僕の外見と「僕」という一人称にギャップがあったからだろうと推測できます。




そんなことで、今日書こうと思うのは僕がXジェンダーであることについてです。

といっても僕はそこまでLGBTQ+に詳しくありせん。Xジェンダーが、LGBTQ+のQクィア又はクエスチョンに含まれることは知っています。

あとLはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシャル、Tはトランスジェンダーですね。(ちゃんと言えた言えた!)

TトランスジェンダーとQクィア又はクエスチョンは他の3つ(LGB)に比べると、理解されにくく社会からの偏見がまだまだ沢山あります。でもQに比べて圧倒的にTのトランスジェンダーの方がまだ分かりやすいかなあ、と思うのです。

おそらく、1番最後に社会から取り残されるのは、Qのクィアとクエスチョンである僕たちXジェンダーやノンバイナリー(性別を決めない人達)なんです。

なぜなら、性別が不明だったり、コロコロ変わったり、両方だったり、中性だったり、色々人によって十人十色のパターンがあって、全人口のうち90%を占めるシスジェンダーの方達=性自認と身体が一致している多数派の人達にとっては感覚的に理解が難しいのです。


Xジェンダーの中にも僕とは違ったタイプの人もいてそれぞれ個性があるので、今日ここで書くことは一般的なXジェンダーの話というよりも「あーちゃん」という僕個人の性別の話です。



それでは、僕の話をしていこうかな。

まず僕は性自認はXジェンダー。
僕は身体が女性=性染色体がXXです。
戸籍上も女性です。

成人した今も身体手術などは受けていません。
なので僕の身体は他人から見ればどこからどう見ても女性にしか見えない訳です。

正直言って苦痛です。鏡を見るのも、お風呂で裸を見るのも苦痛です。ピチッとした服を着て身体のラインが出ることも、生理がくることも、胸が膨らんでいることも、全部を取っ払ってしまいたいんです。

そして僕が僕として心の底から認められる身体は、胸やくびれ、子宮、女性らしい曲線を取っ払った、程よく筋肉質で男性的な身体です。
そうあるべきだと感じるのです。

しかし男性器は欲しくありません。
男性になりたい訳ではないのです。

これがXジェンダーの難しいところです。
僕の場合、女性でなければ男性でもない中性なんですね。

いつもは体のラインが出ないように、少しきつめの胸が小さく見える下着と、ワンサイズ上のダボダボの服を着ています。

僕の難しいところはここからです。

僕は中性でありながら両性的な側面も持っています。

どういうことだ???

つまり「男性的に偏った中性」と「女性的に偏った中性」を持っています。そして、それが数ヶ月や年単位でONOFFするのです。

なんだそりゃ😳

↓ざっくりとした説明↓

男性的に偏った中性…これは分かりやすい。男性的な仕草や態度、考え方、性格にガラリと変わります。自立心が高く、競争的です。服装や持ち物は男性物か中性的な服装です。

女性的に偏った中性…これは説明が難しい。仕草や態度は中性的です。性格は変わって共感的で他者に依存的です。ピチッとした身体のラインが出ないことを条件に、女性向けのファッションも受け入れることができます。しかしジャンルは限定的。大体はギャル系、ストリート系、ロック系、ゴシック系等なら大丈夫。でも、いわゆるフェミニンな女性を象徴するようなものは着ると違和感が凄いです。
(できるなら破り捨てて裸で逃げ出したい気分になる)

僕はこの切り替わりを「スイッチング」と呼んでいます。

今の僕は男性的に偏った中性の方にスイッチングしています。

最近のスイッチング事例は、2021〜2023年12月24日まではずっと女性的に偏った中性でした。

約3年間もスイッチングしていたのです!!
およそ23年間の人生の中で最長の女性側へのスイッチングでした。

そこから明確に男性的にスイッチングしたのは、去年の2023年12月25日です。

そこから今日の2024年2月20日までは男性的に偏った中性の状態ということです。


12月25日にスイッチングした瞬間のことを覚えています。大学は冬休みで普通に家で過ごしていた時のことでした。

「あ!脳が切り替わった。じゃあ、よろしくお願いしま〜す。(慣れたもの)」

こんな感じ。

じゃあスイッチングは何がきっかけ?原因?

僕にも分かりません。ただ、もしかしたら環境からの影響も多少はあるのかもしれません。しかしスイッチングした去年の2023年12月25日も特別何かあった訳ではないので、なんとも言えないのです。



僕がXジェンダーになったのはいつからか?

これはもう間違いなく生まれた時からでしょう。
僕が女性だったことは一瞬たりともありません。


幼少期からの話をざっくりします。

幼稚園の頃から既に女の子扱いされると腹が立ったり、違和感を感じて癇癪を起こしていました。

早生まれで周りより(絵以外は)なんでも下手っぴでした。でも負けずに自立心が旺盛で競争心も強かったです。お人形で遊ぶことも、ごっこ遊びもしましたし、外で男の子達と泥だらけになりながら汚い川の探索をしたり、この頃は大人が干渉しない限り、女の子と男の子は仲良く同じ様なことをして遊んでいましたね。

小学生。上履きは女の子はラインが赤色、ランドセルも赤の時代でした。

「黒のランドセルが良かったのに!なんで勝手に選んで買ってきたの!!新しいの買ってきてよ!!」

泣きながら3時間くらい抗議しました。親もその時ばかりは可哀想なことをしたという顔をしていた気がします。

僕は小さい頃から赤が好きじゃありません。
今もずっと黒や青系が好きです。ランドセルは単純に好みの問題だったんですね。

僕たちの年代でも日曜日に、プリキュアと戦隊モノが放送されていましたね。僕はどちらもカッコよくて好きだったんです。小さい頃から可愛いものには一切興味がなく、強くてかっこいいものが大好きでした。

母が学校用にハンカチを買ってくれることになったとき、好きなのを選んでいいと言ってくれました。

僕は悩んだ末に、戦隊モノのハンカチを選びました。母は何度も「本当にこれでいい?本当に?プリキュアもあるよ?」と確認してきて、うざかったのを覚えています。僕がいいと言っているのになんなんだ…?ってところでしょうか。

でも大きくなるにつれて、女の子は赤、男の子は青、女の子はお淑やかに!男の子は活発に元気!と決められていて、僕が自分らしく過ごしているだけで怒られたり、女の子らしく振る舞うよう指導されることに腹が立つようになりました。

「僕は女の子だけど!女の子じゃない!」

幼いながらに違和感が沢山あったんですね。
自分が女の子として扱われることにイライラして、指導されるたびに反抗的に男らしく振る舞うようになりました。

思春期。ここで周りと明確な差が出ました。もともと差はあったけれど周りも自分も子供だから自覚できないし、特に気にしてなかったんですね。ですが、思春期に入るとみんな仕草や態度から女の子らしく男の子らしくなっていくんです。

「それってわざと演じてんの?誰かに指示されてんの?それともマジでそれが君たちの本質なの?」

僕は最初こんな風に思ってました。

中学一年生です。
基本考え方は自分が中心なので、周りの女性が女性らしく、男性が男性らしく振る舞うことは、周りがおかしいんじゃないか?と最初は思っていました。


次にいや、僕がおかしいのか?僕はもしかして特別なのか?(厨二病)と考えるようになりました。

中学生の頃、答えは何もわからなかったです。
LGBTQ+なんて言葉は誰も知らない時代でした。
ましてXジェンダーなんて聞いたこともなかった。

明確だったのは、僕は何故かみんなから取り残されていて仲間に入れないこと。どうやっても自然に女性らしく振る舞えないこと。身体の変化に戸惑い自分の身体じゃないと感じていたこと。男性の仕草や態度に憧れていたこと。


中学3年生。結論として僕は
「身体は女性に生まれてきたけど、心は男性なんだ。(いわゆるトランスジェンダーなんだ。)」
と思っていました。


Xジェンダーの方は、一度はそう思う時期があったはずです。特に僕と同年代から年上の方はその確率は高いでしょうね。
なぜなら、Xジェンダーという言葉を知る機会がなかったので、名前をつけるならトランスジェンダーになってしまっていたんですね。

そのことを保健の先生に相談し、病院に一緒に行こうか?と提案して貰いましたが、まだ身体が成長途中で手術ができなければ意味がないので断ったことを覚えています。


高校生。しかし、時たま女性らしくなることがあることを自覚します。それは好きな男の子が出来てからでした。

彼の前では女性らしくなってしまう。/もしくは彼の男性的仕草に憧れて真似してしまう。どちらも、同時に起こるのです。

僕はトランスジェンダーじゃなかったのか?


そこで一度、僕はやっぱり変わってるだけのちゃんとした女性なんだ。ということになりました。


しばらくたってどこからか、Xジェンダーという言葉を知りました。


なんだか説明がよく当てはまる。
しかし、僕は確信が持てません。

本当にXジェンダーなんだろうか?
たんに男っぽい女の子なんじゃないか?

彼の前では女性らしく振る舞ってしまうことがある。でも身体は絶対的に僕の身体じゃないと感じる。自分の身体を見るのが気持ちが悪い。男性的な身体が欲しい。


そこから大学2年生になるまで、悩み続けました。

好きになるのはいつだって男性的な男性です。
付き合ったことがあるのも男性3人です。

3人とも僕はXジェンダーかも。という話をすると

「君は間違いなく女性だと思うよ。」と言いました。

そりゃそうです。気に入られたい男性の前では、その人の為に女性らしく振る舞っていましたから(今でも)


僕がXジェンダーとハッキリ名乗りだしたのは、大学2年生頃からです。

まだ確信が100%持てないままいたとき、
グループワークのある授業でLGBTQ+の話題が出たんです。
5人ほどのグループに分かれ、僕はドギマギしながらクラスメイト達に

「僕はXジェンダーなんです…。」

と言ってみました。みんなはそうなんだ〜。とあっさり受け入れてくれました。
確信には変わりませんでしたが、なんだかスッキリしたんです。

グループワークが終わり、次にみんなの前で先生が僕に感想を聞いてきました。

グループでうまくいったので今度も
「僕はXジェンダーなので、立場としてはLGBTQ +の側からの感想になりますが〜」

と言ってみました。

先生は、なるほど、なるほど。と話を聞いてくれました。

受け入れてくれる人もいる!!

そこから、過去の色々な経験、今感じてる違和感を全部ひっくるめて

「僕はやっぱりXジェンダーなんじゃないかな。」

と否定派から肯定派に変わっていったのです。


正直今も、100%僕はXジェンダーなんだ!!という自信が持てません。

今の確信は92%くらいかなあ。

特に女性的な中性にスイッチングしたときは、やっぱり女性なんじゃない??と思うし、
男性的な中性にスイッチングするといや!Xジェンダーだ!間違いない!と考えが揺れ動くのです。

まだまだ、書き足りないことはありますが、

「僕がXジェンダーの理由」の答えとしては

"そう生まれてきたから。自分が自分であるから。"

としか言いようがありません。
なろうとしてなれるものでもなければ、変わろうとして女性や男性になれる訳でもないし、スイッチングも自分でコントロールすることはできません。

先に存在として僕が僕としてありのまま存在しているのであり、次に社会があり、そしてその中で言葉として区切りをつけるならば僕はXジェンダーに分類されるというだけなのです。


皆さん、色々疑問が残るかもしれませんが、
長くなってしまったので今回はここで終わりにしたいと思います。

最後まで見てくれてありがとう💗
皆さんの人生に幸せが訪れますように。


あーちゃん



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