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賃料が割安な物件を狙え!マンション投資の賃料引き上げ戦略

不動産投資を行う上で、物件の価値を最大限に引き出すための鍵は「賃料引き上げ」にあります。特に、現在のようにマンション価格が上昇している局面では、賃料の適切な引き上げが投資収益を大きく左右します。しかし、賃料を引き上げるためには、まず「割安な賃料水準の物件」を選ぶことが重要です。本記事では、賃料が割安な物件を選ぶ理由と、その具体的な戦略について詳しく解説します。

賃料引き上げの成功事例:26,000円の賃料アップが生んだ大きな成果

まず、私が実際に経験した成功事例からご紹介します。都内の1DKマンションを所有していた際、入居者が退去することになりました。賃貸管理部は賃料引き上げに消極的で、強気な提案をしてきませんでした。しかし、私はこれをチャンスと捉え、賃料を99,000円から125,000円に引き上げることを決断しました。その結果、なんと26,000円の賃料アップに成功したのです。

この賃料引き上げがもたらす影響は非常に大きなものでした。賃料の増加はそのまま物件の価値に直結します。具体的には、賃料が26,000円アップしたことで、年間の賃料収入が26,000円 × 12ヶ月で312,000円増加します。この増加分を利回り3.5%で計算すると、物件価格にして約890万円の上昇に相当します。つまり、購入時には2,300万円だったマンションが、理論的には3,190万円にまで価値が増したというわけです。

賃料引き上げがこれほどまでに物件価値に影響を与えるとは、投資家にとって大きな驚きかもしれません。しかし、このような成果を得るためには、適切な物件選びと、賃料引き上げのタイミングを見極めることが必要不可欠です。

賃料引き上げによる物件価値向上のメカニズム

それでは、なぜ賃料引き上げが物件価値をこれほどまでに高めることができるのでしょうか?そのメカニズムを理解するために、賃料と物件価値の関係について考えてみましょう。

マンション投資の収益は、大きく分けてキャッシュフロー(賃料収入)とキャピタルゲイン(売却益)から成り立っています。賃料収入は毎月の収益を生み出す基盤であり、物件の利回りを計算する上で重要な要素です。そして、この利回りが物件価値を決定づける大きな指標となります。

例えば、先ほどの事例のように賃料が26,000円増加すると、その増加分が年間にして312,000円の収入アップに繋がります。これを利回り3.5%で割り戻すことで、物件価値がどの程度増加したかを算出することができます。これは「収益還元法」と呼ばれる手法で、収益性に基づいて物件価値を評価する方法です。

このように、賃料の引き上げは物件の収益性を高め、その結果として物件価値も上昇するというメカニズムです。逆に言えば、賃料が低いままだと物件価値はそれだけ低く抑えられてしまうため、賃料引き上げのタイミングとその幅を見極めることが重要になります。

割安な賃料物件を選ぶことの重要性

賃料引き上げによる物件価値向上を狙うためには、最初から「割安な賃料水準の物件」を選ぶことが成功の鍵となります。割安な賃料物件とは、周辺相場と比較して賃料が低めに設定されている物件のことを指します。このような物件は、賃料引き上げの余地が大きく、投資家にとって非常に有望なターゲットとなります。

私が実践している方法の一つに、同一建物内の成約賃料を時系列で表にまとめるという手法があります。これは、過去の賃料実績を時系列で把握することで、その建物の賃料相場を理解し、どの程度の賃料引き上げが可能かを見極めるための方法です。具体的には、営業マンにお願いして、過去数年間の成約賃料を時系列でまとめてもらい、そのデータを基に物件選びを行います。

この方法を用いることで、現行の賃料が周辺相場と比べて割安かどうかを判断しやすくなります。もし割安であれば、その物件は賃料引き上げのチャンスが大きいと言えるでしょう。また、賃料が周辺相場と比べて高くない場合でも、適正賃料と比較してどの程度の引き上げが可能かを検討することで、将来的な収益性を予測することができます。

実際、上述の賃料アップに成功した物件も、購入時には99,000円の賃料は割安であり、105,000円までの引き上げは可能だと過去の成約事例を踏まえて分析していました。一方で、今回125,000円までの引き上げが実現したのは非常にラッキーだったかもしれません。購入してから1年の間に周辺の相場もかなり上がっていたことが要因の一つです。加えて、成約事例がコロナ禍の時期のものを含んでいたため、低めに設定されていたのかもしれません。

このように、適切な物件選びとタイミングの良い賃料引き上げが重なったとき、非常に大きな成果を得ることができます。投資家としては、常に周辺相場の動向を注視し、賃料引き上げのチャンスを逃さないことが重要です。

賃料引き上げが物件売却時に与える影響

賃料引き上げによって物件価値が向上することは前述の通りですが、その影響は物件の売却時にも大きく現れます。特に、賃貸物件の売却を考えている場合、賃料収入が安定して高いことは、購入希望者にとって非常に魅力的な要素となります。

例えば、ある物件の賃料が他の物件よりも高い場合、その物件はより高い収益を期待できるため、購入者にとって魅力的です。結果として、売却価格も高く設定することが可能になります。逆に、賃料が低いままだと、購入者はその物件の収益性に不安を感じ、価格交渉で不利になる可能性があります。

私自身、賃料を引き上げたことで、物件の売却価格を大幅にアップさせることができました。例えば、賃料を1万円引き上げるだけで、物件価格は理論的に約342万円も上昇します。これは、賃料の増加分が物件価値に直接反映されるためです。このように、賃料引き上げは単に毎月のキャッシュフローを改善するだけでなく、将来的な売却益を最大化するための重要な戦略となります。

周辺賃料の調査方法と割安物件の見つけ方

賃料が割安な物件を見つけるためには、周辺賃料の調査が欠かせません。周辺賃料を調査することで、その物件が本当に割安なのか、それとも市場価格に見合った賃料設定がされているのかを判断する材料となります。

まず、最も基本的な調査方法として、不動産ポータルサイトを利用することが挙げられます。SUUMOやHOME’Sなどのサイトでは、同一エリア内の賃貸物件の情報を一覧で見ることができるため、物件の賃料相場を簡単に把握することができます。また、物件の築年数や間取り、設備などを比較することで、賃料がどの程度の水準にあるかを予測することができます。

さらに、賃料調査を行う際には、過去の成約事例をチェックすることも重要です。成約賃料は、実際に市場でどの程度の賃料で取引されているかを示すデータであり、これを基に適正賃料を判断することができます。営業マンに依頼して、過去数年分の成約賃料を集計し、時系列で分析することで、その物件の賃料がどのように推移してきたかを理解しやすくなります。

また、近隣エリアの再開発や新たなインフラ整備が計画されている場合、将来的に賃料が上昇する可能性も考慮する必要があります。例えば、周辺地域で新しい駅が開業する予定があったり、大型商業施設が建設される場合、そのエリアの賃料相場は上昇する可能性が高いです。このような情報をキャッチすることで、将来的に割安物件が値上がりするチャンスを見逃さないようにしましょう。

結びに:賃料が割安な物件を狙うことの重要性

マンション投資において、賃料が割安な物件を選ぶことは、投資収益を最大化するための重要な戦略です。賃料引き上げによって物件価値が大幅に向上する可能性があるため、投資家にとっては非常に魅力的な手法です。

しかし、賃料引き上げを成功させるためには、物件選びの段階から慎重に検討することが必要です。周辺賃料の調査や、成約事例の分析を行い、適正な賃料設定ができる物件を選ぶことで、投資リスクを最小限に抑えつつ、収益を最大化することが可能になります。

これからマンション投資を考えている方や、すでに投資を始めている方は、ぜひ今回紹介した戦略を参考にしていただき、賃料が割安な物件を見つけて成功への一歩を踏み出してください。賃料引き上げによる物件価値向上は、長期的な投資収益に大きく貢献するでしょう。

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