4話・煙台萊山国際空港で中々でてこない荷物
1・民間兼軍用空港
トイレから漂う副流煙という、思わぬ先制攻撃をうけながら、なんとか目的地の煙台萊山国際空港へ到着。もともと、軍用の空港だったが、市場開放の影響で民間機にも供用されるようになった。(2015年に煙台蓬萊国際空港が開港し、現在は再び軍用空港に戻っている)
タラップを降りて、バスで空港ビルまで移動。商業空港ではないので、そんなに大きくはない。白いペンキを塗っただけの壁。大理石の床に、鉄の柵を迷路状に突き立てただけの入国審査ゲートに列を作り、番が来たらパスポートを出す。
若い入国管理官は、こちらの顔を一瞥しただけで、スタンプを押してくれた。始終無言。中国語で何か聞かれたらどうしようという不安は、杞憂に終わった。
2・レーンで待ち続ける日本人ただ一人
そのあとは、薄暗い建物の中にある、荷物レーンから自分の荷物が出てくるのを待つ。
自分以外に、外国人は確認できない。きっと、みなこの地元の人たちなのだろう。乗客数自体も、それほど多くはなかったし。みな、自分の荷物が出て来るや、さっさと掴んで出て行った。
時刻は16時過ぎ。ちょうど日も暮れてきて、赤く窓の外を染め上げている。施設内は、ぎりぎりまで点灯しない主義なのか、まだ明かりは灯らず。独特の暗さが充満している。
ビジネスクラスの乗客が、先に荷物を取って出て行ったのはいいとして、そのあとも他のエコノミークラスの乗客の荷物ばかりが出てくる。私の荷物は、一向に出てくる気配がない。
そんなに目につくようなデザインのスーツケースでもない筈なのだけれど。外国人がローカル空港に来るのが珍しいからかな?最後の最後、ほかの乗客がみな去ったあと、ようやく私のかばんが出てきた。
もしかしたら、外国人の自分のかばんが、ほかの人民に取り違えて持っていかれるトラブルを防ぐつもりでやったのだろうか。まあ、とりあえず、でてきたので、取っ手をつかむや否や出口にむかって小走りで駆けていった。
現地のスタッフが出迎えに来てくれているはずだから。これ以上、待たせるわけにはいかない。
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