流行りのSaaSをちゃんと学ぶ(CAC編)

前回の解約率編では、解約率を使ってLT(顧客の寿命)、さらにARPUを使ってLTV(顧客生涯価値)が出せることを学びました。

お客さんからどれくらい利用料をいただけるのかがわかったところで、次は投資、お金をどうやって使っていくかを学んでいきます。

CACとは?

CAC(カスタマー アクイジョン コスト)は顧客獲得コストの略のことで、顧客を獲得するためにかかる費用のことを指します。具体的には以下のようなコストが想定されます。

・広告宣伝費
・セールス人件費
・販売代理店手数料

CACはどう使うのか?

CACは前回お話ししたLTVと一緒に使われることが多いです。

CACを使って顧客を獲得し、収益としてLTVを得るのですから、LTV以上にCACを使ってはいつまで経っても利益が出ないですよね。

LTVを考慮しながら、どれくらいCACをかけていくのかを考えるわけです。

しかしながら、LTVに収まる範囲ならどんだけCACを積んでもいいかというとそうとも言い切れないのでもう少し深掘りしていきましょう。

CACはLTVの1/3が適当である?

CACのことをググると、なにかと1/3がいい、3倍がいい、という記事を見かけますが、初見では理由がわかりません。

この数値が出てくる根底にあるのは、
費用と収益の発生するタイミングがかなり違う!
ということです。

今日CAC(顧客獲得コスト)を使って、明日LTV全額が入金されてくるわけではありません。LTVは生涯かけて獲得するものなので、回収には長い時間がかかります。

そのため、過度にCACをかけ続けると、収益回収が追いつかず資金ショートする危険性が増すのです。この問題が根底にあるので、CACはLTVの1/?にしないと、という議論が出てくるわけです。

1/3という数値はあくまでも目安値で、プロダクトや会社の置かれている状況によって適切な値は変わってきます。なので、根底にある問題をしっかり認識して、適切なCACを導き、最速で成長できるスイートスポット的な数値が見つけられるとベストですね。

オーガニックCACに注意

少し補足の話となりますが、CACを学ぶ中で「オーガニックCAC」というものを知りました。

プロダクトの評判を聞きつけて、自主的に利用してくれるお客様に対しては顧客獲得コストはかかっていないですよね?

オーガニックCACとはこのありがたいお客様を獲得した無料コストのことを指します。

オーガニックCAC自体は非常にいいものですが、この存在を無視して一顧客当たりCACを計算してしまうとCACが低く見えてしまいます。

そのため一顧客当たりCAC算出の際にはここに気を付けて算出しましょう。

まとめ

CAC自体は非常にシンプルな指標でわかりやすいものだと思います。

ただ、実際の事業で使う場合にはどのコストまでをCACとするのが良いのだろうか、と言った悩みが出てきたりします。

シンプル故に自社としてはどういうコストをCACとすべきかをしっかり定めておくことが重要なので、この指標を取り扱うときは集計範囲や集計方法を合わせて検討しましょう!




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