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会社の予算の作り方

本業で絶賛来期の予算を作っていて、ハードワークモードな時期に入っています。そういった時によく考えるのが「ベストな予算の作り方」

私はかれこれ10年ほど大企業・ベガベンチャー・ベンチャーで予算作りに携わっているのですが、十人十色、十社十色で予算の作り方はバラバラだったりします。が、考え方や予算を作ることの根本的な意味は変わらなかったりするかなぁと思っているので、ちょっと頭の整理がてら、予算作りについてまとめていきます。

とりあえず、初回はなんで予算を作るのか、作るのには何が大切かという基本的なところから書き連ねていこうと思います。

なんで予算を作るのか

予算を作るのは当然目的ではなく、何かを成し遂げるための手段として行います。では、何を成し遂げるため作るのか。

最上位にある目的はそれぞれの会社が掲げている「ビジョン」「ミッション」を成し遂げるため。

「ビジョン」「ミッション」を成し遂げるにあたっては、やらなければならないことがたくさんあります。そして、それをやるためには、乗り越えなければならないたくさんの課題があります。

乗り越えなければならない課題を解決するためには戦略を練る必要があります。

戦略を練った後、それを実行するためには戦術を考える必要があります。

戦術を考えた後、それを実行していくにあたっては、その実行プランを設計し、効率よくアクションしていく必要があります。

何が言いたいか。
予算とは、会社(に勤める全てのメンバー)が成し遂げたい「ビジョン」「ミッション」のための「戦略」「戦術」「実行プラン」をまとめるために作るものであるということです。

予算作りで大切なこと

次に予算作りにあたって大切なことをいくつか上げていこうと思います。

・予算と見通しの違いをちゃんと理解する
前述した通り、予算とは会社が最終的に成し遂げたいビジョン・ミッションのためのロードマップです。
ただ、それを忘れて、なんとなく今年の延長線で予算を作っちゃう会社も少なくありません。延長線で作る予算は予算ではなく見通しです。
見通しは、予実管理にあたっては重要な数値ですが、予算を見通しにしちゃダメです。
ここはものすごく基本的なことですが、忘れがちなところなので肝に銘じておきたいポイントです。

・予算は数字だけじゃない
予算数値は予算策定の最終的な結果物の一つであり、それだけが予算ではないです。予算を立てるにあたっては、現状理解、課題把握とミッション設定、実行プラン、をしっかり整理する必要があり、その整理自体が来期の予算だと考えています。
なので、数値だけを予算とするのではなく、上記の定性情報と合わせて予算として捉える必要があります。

・いいタイミングで作り始める
予算は様々な計画が組み合わさってできますので、それぞれの計画にとって最も来期を見据えやすいタイミングで行う必要があります。
これを聞くと、じゃあギリギリに作ればいいのではないか、と思う人もいるかとは思うのですが、そうではありません。ギリギリに作ってしまうと、現状整理〜実行プランまでの組み立てをしっかり行う猶予がなくなってしまいますし、最悪の場合には準備不足で来期を迎え、目標を先送り、もしくは、下方修正せざるを得なくなってしまいます。
会社によって、ベストなタイミングは異なりますが、全社として納得して計画を進められるタイミングを模索し続けることが必要です。

・ちゃんと使えるように作る
予算策定のタイミングは非常に忙しく、予算を組み上げることにとにかく専念する必要があります。そのため、ついつい予実管理を行う時のことまで思考が行き届かなかったりします。
それはぶっちゃけ仕方ないことです。大企業で予算策定に十分な人出を割いている会社ならまだしも、必要なスキルを持った人員が十分に揃っている会社は多くないため、ある程度の諦めも必要だと思います。
ただ、細かいところまでを気にしておく必要はないものの、大枠のKPI決定や数値設定は行っておかないと、中身のない予算となってしまいます。予算の肝となるような部分については漏れることなく検討と予算化していくことが重要です。

・最後はちゃんと全メンバーと共有する
案外、そんなたいそうな予算を工数かけて作る必要あるのか、所詮予算の多くは投資家向けのもの、と考えている人も多いと思うのですが、そうではありません。
予算というものは会社全メンバーのためのものであり、理解の深さは違えど皆が自分ごとで受け止めてもらえるように努めないといけないです。
バックオフィスが担うことの多い予算策定において、実はここが一番難しかったりするのですが、一番重要だろうと思います。
大きく成長している会社は、しっかりと予算をメンバーに伝えること、そして、メンバーがその予算を理解し、目標に設定すること、にすごく力を注ぎます。

まとめ

つらつらと書き連ねてしまいましたが、どれも予算策定においては欠かせないことだと思っております。
ただ、大切なこと一つ一つについてもう少し自分の中でも整理が必要だと感じているので、自分自身のアップデートも兼ねて今後はそれぞれについて深掘り、整理していきます。




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