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不思議夜話(ふしぎやわぁ) 第一集

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実際に見た”夢”をほぼ忠実に書いた自作のショートショートの取りまとめ。 第一夜から二十三夜まで。何の教訓も笑いもありません。(^-^;
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2020年9月の記事一覧

不思議夜話 18

気が付くと、冷たいベッドの上に仰向けになっていた。 天井に嵌め込んである化粧板の目地が作る模様が、規則正し過ぎて少し苛立ってくる。ベッドは、薄緑色のパイプでできた病院用のもので、足元にも丁度L字型にもう一つ並べてあった。どうやら、二人部屋の病室で眠っていた居たようだ。それにしても、ベッドをL字型に並べてある病室など初めて見る。奇妙な光景だと、目を凝らして足元のベッドを見た。 そこにも、一人の男が仰向けに寝ていた。 何やらリンゲル液のような袋を左のT字棒に引っ掛けて、点滴を受

不思議夜話 17

気付けばバスを”運転”していた。 それもどうやら”乗合バス”のように思う。今では珍しくなったが、クラッチ操作を伴う2世代ほど前の車両だ。 ただ、職業としてバス運転手だという訳ではなさそうだ。経緯は定かではないが、たまたま、どこかへ行くために乗り、運転席に座ったのが”乗合バス”という感じだ。わき目も振らず、ただただ楽しそうにハンドルを握っている。 はて、自分は大型二種の免許証を持ち合わせているのだろうかと考えてみるが、どうも思い出せない。現実にこの乗合バスを走らせているという