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ピンク映画のこと・3

題名について

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これは今年の1〜2月頃に書いたシナリオである。
こんなタイトルの映画は聞いたことがない、でしょ? まあ、ピンク映画なので、そもそも一般に知られてもいないが。
この映画、公開時には『爛れた関係 猫股のオンナ』という題名になっていた。
ピンク映画では、制作時と公開時のタイトルが異なるということが良く起こるのである。つまり、シナリオライターには(監督にも)公開時の(正式な)題名を決める権限はない。
これはどうもどこの会社でも同じ事情のようだ。だいたい営業や興業のセクションでタイトルを考えるらしいが、そもそもはピンク映画らしいタイトルでないと、全国の映画館から文句が出るとかで、言わば昭和以来の業界の慣習なのだ。

まあ、「猫を飼う。」なんて、およそピンク映画らしくない、味も素っ気もエロさもないタイトルをつけるのもどうかと思うが、「猫股のオンナ」って、一体なんのことなのか?というか、よく思いついたなあ、とすら思ってしまう。
僕の場合、どうせ公開時に変わってしまうということがわかっているので、制作時にはなんというか「記号的な」タイトルをつけている。この作品の場合は、ずばり「猫を出す」映画なので、そう付けた。現場ではもっとシンプルに「猫」とだけいわれていたようだ。なんだか夏目漱石に申し訳ない。
この秋書いた脚本は『夢の衣を脱ぐとき』という仮題をつけた。
珍しく洒落たタイトルをつけたのだけれど、これももちろん正式タイトルは全然異なるものとなった。どういう題名になったかは、公開が決定したところでお伝えします。

『爛れた関係 猫股のオンナ』2019年9月13日公開
提供:オーピー映画
監督:工藤雅典
脚本:橘満八
撮影:村石直人
照明:小川満
助監督:永井卓爾
音楽:たつのすけ
出演:並木塔子、相沢みなみ、長谷川千紗、佐々木麻由子、竹本泰志、深澤和明、古本恭一、森羅万象、飯島大介、なかみつせいじ


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