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おい、日本政府おい。新型コロナウィルスの課題は解決できるのかいできないのかい、どっちなんだい!? 第1話

 ヘルスケアシステムの定義については、“医療提供体制と財政的仕組み(医療保険や医療費助成など)に限定” [8]し課題を論ずる。
 まず、新型コロナウィルス対策の課題を探る為、厚生労働大臣、内閣総理大臣が発表・公表しているゴールあるいはビジョンを調査した。ところが、ゴールあるいはビジョンについて一貫した方向性は見当たらない。
 では、そもそも厚生労働省は何を目的として存在する機関なのか。調査したところ、次の条文が見つかった。

厚生労働省設置法第3条第 1 項「厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。」

 この条文が既に、①国民生活つまり国民の健康が大事なのか、②経済の発展が大事なのか、その答えを出していない。また、21世紀のほぼ四半世紀が過ぎた現在、グローバルな国境を越えた活動が今後更に行われることは容易に想像できる。それにも関わらず、国際的な視点について何ら語られていない。
 厚生労働省が②経済発展に寄与すべきとするのであれば、経済産業省はどのような役割を担うのか。経済産業省の存在意義に関わる条文を調査すると次のように記載されていた。

経済産業省設置法3条 「経済産業省は、民間の経済活力の向上及び対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済及び産業の発展並びに鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図ることを任務とする。」

この条文では、エネルギーの供給についても触れられているが、当然のように唯一のビジョンとして、②経済の発展を上げている。このように存在意義が定められている条文から分析すると、日本には、厚生労働省と経済産業省二つの省が②経済発展に寄与することを目的として存在し、純粋に①国民の健康に寄与することを目的として存在している省庁が無いといえる。
 新型コロナウィルス感染症の対策をプロジェクトと見るならば、ビジョンとミッションが必要である[1]。あるいは、国全体のヘルスケアシステムと見てもゴールが必要である[2]。
 これらに対して存在する課題が解くべき課題であり、参加者は解くべき課題の論拠をそれらに置く。しかし、ここが揺らいでいる事、決めるべき省庁が無い事が第一の課題である。二つ以上のゴールがあっても構わないが、それらが相反する時、どちらがゴールで、どちらが制約条件かを決めなければ、課題が見えない[1]。医療従事者にはTriageがある。Triageとは、緊急事態にある時、生存可能性を測り生かす患者を決めることである[3]。国全体が緊急事態の時に、命と経済活動のどちらを重要視するか、その拠り所が無い。つまり、Triage が出来ない。Triage が出来ない医療機関は、死亡患者数が増え、医療従事者は疲弊し医療組織が崩壊する[4]。日本は、この状態に陥っている。
 このような理由から、第一の課題であるゴール、あるいは、ビジョンの不存在に対して、私の提案は、法律がそう言っているので、②経済の発展(あるいは維持)を第一目的と言い切る事である。

 救える方を救い、救えない事を騒がず、苦しまず、糾弾もしない。つまり“緊急事態”の決断をするという提案である。
 このような提案に対しては、新型コロナウィルスが次々と変異するため情報が不確かであり、また、迅速な対応が必要であるから、丁寧に議論する時間がないという反論も考えられる。いわばVUCAのようなものだ。このような変化が激しい場合、企業戦略という視点では、アダプティブ戦略という手法を用いることもある。この観点からすれば、日本国が行っているその場その場の利益調整というのも考えられなくはないのかもしれない。
 しかし、このような手法も、ゴールが明確でないと、個別の解決方法で①国民生活つまり国民の健康と②経済の発展が対立した場合、どちらを優先するのか拠って立つ根拠がなくなり、全体として論理矛盾してしまったり、施策がケンカをして効果を打ち消してしまう可能性が高いであろう。

次回、課題とその解決策の続きを記載します。

                              以上



Reference
[1] Importance of Vision and Mission Statements: https://www.managementstudyguide.com/importance-of-vision-and-mission-statements.htm
[2] General concepts of goals and goal-setting in healthcare: A narrative review(2018): Osahon Ogbeiwi
[3] Triage Emergency(2006) : Manchester Triage Group
[4] Triage System:A review of the literature with reference to Saudi Arabia
[8] ヘルスケアシステム(2010):冨塚 太郎

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