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認知症と中核症状とBPSD

認知症と言うと、まずどんなイメージでしょうか。
関わったことのない人にはピンとこないものだと思います。


認知症の症状には大きく2つあり、この2つが認知症を構成しています。
中核症状とBPSD(行動・心理症状)になります。



中核症状についてまず話していきます。





中核症状は認知症の中核にあるとされている症状とされている症状で、脳の病変による認知機能の低下から引き起こされます。
これは認知症である限り必ず起こるものです。




また進行もしていきますし、徐々に症状が重たくなっていき、症状を遅らせていくことは出来ますが、完全に止めることは出来ないのです。
認知症の中核症状としては以下のようになります。




1.記憶障害

ここだけ見ると、歳を重ねていくと誰でもある程度なるものなのですが、「物忘れ」と認知症の記憶障害とは違うものです。
・短期記憶ほど失っていき、長期記憶は残っている
・記憶は数分~数日のことに対する短期記憶と数ヶ月~数年前に渡る長期記憶に分けることが出来ます




認知症の初期では短期記憶が失われやすく、症状が進行すると長期記憶へと広がっていきます。





・体験を部分ではなくまるごと忘れてしまう


体験した出来事にまつわる記憶を「エピソード記憶」と言います。
普通の物忘れでは、体験していた一部を忘れてしまうことはあっても、丸ごと忘れることはあまりないです。




認知症の場合は、体験してきた記憶を丸ごと失ってしまった状態があります。




・一般的な知識や体が覚えたことは忘れにくいです。

短期記憶やエピソード記憶は初期の頃から失われるものですが、一方で、物事に対する一般知識・教養である意味記憶、楽器や編み物などの体で覚える手続き記憶よ呼ばれるものは失われにくいものです。




2.見当識障害

・場所や時間、周囲の人々と自分との関係を理解し見当する能力を「見当識」と言います。
見当識の多くはこの順番で生じていきます。

a)時間の見当識障害
今何時とか、今日何月何日がわからなくなり、昼か夜か、季節もわからなくなってしまいます。

b)場所の見当識障害
外出先で、今どこにいるのかわからなくなり道に迷ってしまう。
だんだんと自宅がわからなくなり、他人の家を自宅だと思い帰ろうとしたり、またトイレの位置がわからなくなってしまうことにも。

c)対人関係の見当識障害

比較的症状が進むと出てきます。
最初は近所の人やあまり会うことのない人がそのうち、家族や近しい人がわからなくなっていきます。

でも、その相手が顔なじみか安心出来るかはわかるようです。

d)実行機能障害

計画を立てて、その工程を順序よくこなしていく能力が低下していきます。
同時並行が苦手になっていきます。
このため料理の仕方がわからなくなっていたり、家電の扱いも難しくなっていくようです。

段々と着替えるとか言った簡単な作業もわからなくなり、下着を上着の上に着たりすることもあります。
着替えの順番がわかりにくくなると、着替えを避けるようになります。

e)理解・判断の障害

者頃を適切に理解して判断することが難しくなっていきます。
急かさなければ、理解や判断は出来るのですが、信号や踏切を渡るタイミングや乗り物の運転など、瞬時に理解・判断の必要なものに対しては、注意が必要です。

f)失行・失認・失語

道具の使い方など適切な目的を達成することが出来ないのが「失行」
目から入った情報を認識出来ないのが「失認」
音声や文章からの言語の理解や表現が難しくなる「失語」などがあります。

どれも身体的に異常はないのに、脳神経の障害のため困難になっています。
障害のタイミングや部位は個人差があり、症状様々で生じる時期も違います。

また他の症状が目立たない時期からこれらの症状が出ることがあり、周囲からは認知症によるものだと理解されないため、「出来るのにやらない」と思われることがあります。

介護歴が約10年くらいの者です。これからの介護の未来とビジネスモデルについて色々思いあぐねています。介護の未来が明るものになるようにしていきたいと思っています。