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小説(SS) 「執念の果て」@毎週ショートショートnote #執念第一

お題// 執念第一      ※850字ほど


 健康第一なんて言ってたやつらは、所詮は90歳くらいで、あの世にいっちまったよ。
 300歳まで生きるための秘訣かい?
 執念だよ。あたしゃ、死ぬのが怖い。
 この歳まで生き永らえても、その恐怖は常に傍らから消えることがない。むしろすぐそばまで迫っているという現実を突きつけられる思いさ。

 すでに身体の半分以上はサイボーグだがね。
 朝に目を覚ましたとき、思うように動かないことがある。機械的な問題なのか、神経の問題なのか、脳の問題なのかはわからない。寿命を伸ばすくらいには科学技術が発展しても、多くの原理・法則は、ブラックボックスのままだ。

 いつなんどき、どこの活動が停止するかわからない。だから、意識も半分以上は量子コンピュータと同期している。正直、自分が本当に生きているのかどうかも疑わしい。もしかすると、あたしゃずっと夢を見ているのかもしれないと思ったりもする。

 だがそれでも、あたしゃこうして生きている。
 どんな状態であれ、この意識が連続しているうちは、確かにこの命は存在しているといえるのだ。
 断定というより、強迫観念にも似た思い込みなのかもしれない。そうでなければ、存在が揺らぐ。
 真っ先にAIと融合した人類は、氾濫した意識の中で自我を失い、自滅していった。
 だから執念が大事なのだ。並大抵の精神では、時代を越えて生きられない。かといって、生身の肉体では、一世紀そこらが限界だ。
 こうして、意識をアップロードして過去の世界に語りかけているのは、次の時代を生き延びるために執念第一の精神を考えておく必要があるからだ。
 
 さて、話を巻き戻そう――


import winsound

sentence = "健康第一なんて言ってたやつらは、所詮は90歳くらいで、あの世にいっちまったよ。 300歳まで生きるための秘訣かい? 執念だよ。あたしゃ、死ぬのが怖い。――以下略。"

while True:

winsound.PlaySound(sentence,
winsound.SND_FILENAME)


〈了〉844字



たまにはSFっぽい話を書いてみました。

"音声を繰り返す"プログラミングは自分ではできないので、その部分だけChatGPT君に書かせています。

こういう試みができるようになったのは、
プラスに考えていきたいですね。

文章だけは、AIが真似できないくらいには
磨いていきたいものです。

ではでは、メリークリスマス☆

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