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小説(SS) 「始まりのデミグラスソース」@毎週ショートショートnote #2次会デミグラスソース

お題// 2次会デミグラスソース  ※約650字

 新年会は、それはそれは最高に盛り上がった。
 社内で新たなプロジェクトが立ち上がり、有志で集まったメンバーたちで理想や夢を語らったのだ。

 だが、意気揚々となにも考えずに入った2次会の店は、胃もたれ上等マシマシ極脂デミグラスソース料理専門店だった。

 おれは悔いた。店選びをしたのはおれだった。
 完全に選択ミスだ。なんちゅう店に来てしまったのだ。
 十数人の団体行動だったため、席に座るまで誰もなにも疑いを持たなかった。
 さも当たり前のように店へ入り、おしぼり人数分をもらってしまった。
 メニューを開いたおれたちは絶句した。なんと酒以外、デミグラス料理しかないではないか!

「じゃ、じゃあデミグラスフライドポテトを2つ」

 新進気鋭の若手社員が言った。
 それを皮切りに、各々でデミグラス料理を頼んでいった。
 おれはなにを思ったのか、エクストラデミグラスラーメンを注文していた。

 オーダーを取り終えて店員が去ると、全員が押し黙った。顔は険しく、空気が重苦しかった。

 しかし、いざ目の前に出された料理は、意外にもそのどれもが美味かった。
 2次会だというのに、どんどん箸が進み、追加で注文までしてデミグラス料理を食いまくった。

 いつからかおれたちは、忘れかけていた学生時代の感覚を取り戻し始めていた。
 呼び覚まされたのは、底なしのパワー!
 猪突猛進エネルギー! 胃もたれフィーバー!!

 おれたちはその後、新たなプロジェクトを破竹の勢いで進め、全社を引っ張るほどの業績を叩き出していった。
 すべての始まりはそう、デミグラスだったのだ!
 

〈了〉659字




なんの話を書いているんでしょう……。
なにを書きたかったのでしょう……。
すべてはデミグラスのみが知っています……。

え〜、2週間ぶりに復帰させていただきました。
年末に謎の腹痛に襲われ、年始の休み明けにコロナになり、現在も療養中の身でございます。

なんとか快方に向かってますが、その反動でこんなショートショートが出てきてしまいました。

みなさんも、健康にはお気をつけくださいませ〜。

ではではまた〜。


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