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ビジネスと人間性

私は経営者の立場にある。
従業員と言うよりは、下請けの仕事をしてる人たちを30人前後抱えている卸問屋みたいなものだろうか。

顧客からクレームが入る時はうちに入る。
だが、担当に顧客の負のテンションのまま伝えるような事は絶対にしない。
10分の1程度に用件をまとめ、まずは担当から状況を聞いてみる。

それは、長い間その人と付き合って来た上での信頼関係や、
何より、クレームと言うダメージで自信を無くしたりして欲しくないから。言い方は悪いけど、顧客の代わりは他にもあるけど、仕事をしてくれてる人の代わりはないからだ。

向き不向きもある。
得手不得手もある。
でも、その人なりのやり方で長い間この仕事をしてきた上でやってきたクレームはもう「その顧客との相性が悪かった」と思うしかない。
担当に「以後改めて」という言い方は一切しない。
何故ならクレームが入った時点で、充分、改良してきた人たちだからこそ長年仕事が続いてるのだし、その努力に支えられて私たちが経営を出来ているのだから。


話は変わる。
私たちの仕事とは畑違いの仕事を5年ほど前からどうしてもと拝み倒されてやっている。

冬場はとても楽な仕事だけど、梅雨時期から夏にかけては冬場の10倍の労力と時間がいる。
それを夫と私で手分けをしてやってきた。

しかしつい先日、依頼元の納得いくだけの仕事の結果じゃなかったという事で仲介者からすごい剣幕のお叱りが来た。
2日おきの仕事だが、依頼元の期待に沿う結果を出すには1時間おきに手をくらえないといけない状態になると、穏便にこちらの言い分を伝えてきたが、あまりに横柄で理不尽な発言に辟易している。

この5年間の仕事をしても、私たちへの信頼は築けなくて、
手を抜いてやったと思われてるのかもしれない。
他を探せばもっと安い金額で希望に沿う仕事をこなす人がいるだろうという思惑なのかもしれない。

ひとつだけ気づいたのは、私が、職場で働いてくれてる人たちのプライドや人間性を尊重するやり方は間違ってないという確信。
おかげで病気で辞めた人以外、ほとんど退職者を出していない。
義父母の時代は、次々に喧嘩して険悪になって辞めていった。
それをここまでにしたのは他でもない夫と私が築きあげて来た結果。

そう慰めて、仲介者に「人を使うの下手ねぇ」と言いたい気持ちをぐっと堪え、たぶん、まもなく断るであろうこの仕事を少しでも
「立つ鳥跡を濁さず」で終われるか、考えている。

この世で起きるすべての出会いと出来事は、意味があると言われてる。
ならば今回の一連の騒動で私が学べる事は?と思うと
やはり、「現場で仕事をしてる立場の人間がどれだけ気分よく仕事こなせる力を引き出せるか」が、私の役割だと思うので
反面教師に学んでいるのだと思う事にしよう。




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