上から降ってくる言葉が

上から降ってくる言葉が、
文句の付けどころをみつけにくい正論で
一見美しい言葉であるとき、

気をつけろ、と思ってしまう。

間違ったことは言っていないようでも
あまりにあたりまえの良識を言い立てるような
いい人でありたい気持ちをわざわざ刺激するようなスローガンは

なにかほかに、この一見美しい主張のうらに目的があるのだろう
と、思えてしまう。

導入するときはそろりと
次第にあからさまに
なにもいわれなければ肯定と見做し
個人個人の、
損をしたくない気持ち、できれば、得をしたい気持ち
批判されたくない気持ち、できれば、褒められたい気持ち　
攻撃されたくない気持ち、できれば、大勢に紛れて少数派を攻撃し、優越感に浸りたい気持ち
を、くすぐって

責められているのは従順なあなた達ではないよ、
責められているのはわがままで文句ばかり言うわからず屋のあいつらだよ
と、安心させながら、
痛いところを突いてくる者たちにはわがままで文句ばかり言うわからず屋だというレッテル貼りをし
不満をそらしながら、次第次第に、じわりじわりと引いた線の位置を動かしていくような、
そんなことは過去にいくつもあったから。
そして、それをした人たちは、決してあやまらなかったから。