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『クライテリオン無き日本の行く末』

2023年度の表現者塾、第1回のタイトルは、『クライテリオン無き日本の行く末』だった。
講師は、京都大学大学院教授 藤井聡氏。司会進行・対談は、文芸批評家の浜崎洋介氏。毎月1回、2時間たっぷり、第1級の研究者の講義が聞けるのだ。毎月第2土曜日は特別な日だ。

クライテリオンとは、基準。
基準がないところでは、どのような議論も、単なる言葉遊びになる。堂々巡りで、空転しているとき、クライテリオンは見えない。

1868年以来日本は、世界内存在になった。適切に振る舞わなければ滅びる存在になった。
今それなのに、敵に囲まれているという緊張感がない。クライテリオンを必死に探すこともしていない。

国が滅びるとは、どういうことか。
国民が生きていたとしても、
言語をなくす 宗教をなくす 文化をなくす 共同体をなくす
国民を全員労働者にし、一方で消費者にし、宗主国のものを買わせる………

言葉のひとつひとつが心に撃ち込まれるように響いた。

幼い頃から言い聞かせられる「お利口さんになりなさい」とは、奴隷になりなさいということ。
霞ヶ関の官僚は、「日本国の為に」と入省するのではなく、就職先のひとつとして選択肢に入れ、そうやって入省してくる。だから、就職先の方針、就職先の組織のクライテリオンに忠実。

講義の中で、紹介された本2冊。すぐに電子書籍で入手した。
『人を動かす正論の伝え方』
『代表的日本人』

あっという間の、2時間だった。

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