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医師であるからこその思考停止

『寿命の尽きる2年前』(久坂部羊著)を読んだ。きっかけは、がん検診を受けないことについて書かれているとの紹介から。
本自体はおもしろかったけれども、もう読み返すことはないと思う。

現在国をあげて推進している遺伝子注射についての意見が酷かったから。そしてほかにも、被害が出て定期接種の対象から外されていた注射についての意見も、承服しかねる。医師という立場であるからこその職業的な思考停止を感じるから。私はもう、この著者の本は読まない。

久坂部氏は、躊躇なく接種を受けたそうだ。
リスクとベネフィットを比較すると、迷う余地がなかったとのこと。
本の他の部分の意見に頷けることが多かっただけに、残念だ。
あらゆる予防接種は、副反応をゼロにすることはできないと書いている。稀である副反応の危険と、罹患して重症化したときの危険を考え併せたそうだ。久坂部氏の個人的な選択であればどちらを選ぶかそれは自由だ。医師という職業柄罹患する危険性は格段に高いだろうし。
2021年2月16日厚労省健康局健康課長発出の文書にもそのことについて触れられている。

https://www.mhlw.go.jp/content/000740164.pdf

なお、医療従事者等に早期に接種する理由として、以下の点が重要であることを踏まえ、具 体的な範囲を定めている。
・ 業務の特性として、新型コロナウイルス感染症患者や多くの疑い患者と頻繁に接する業務を
行うことから、新型コロナウイルスへの曝露の機会が極めて多いこと
・ 従事する者の発症及び重症化リスクの軽減は、医療提供体制の確保のために必要であること。 (以上引用)

医師が、個人の選択として何を選ぼうともそのこと自体についてはなんの異議もない。ご自由になさればよい。
しかし、医師であり文筆業である者が本に意見を書くならば、影響力を意識して書き方には配慮が必要だろう。
副反応はゼロにはできない。ただし、それを主張するのは、それが予防のためのまともなシロモノであることが大前提だろう。
秘密保持契約によって、安全性の検証のために第三者たる研究者が調べることすらできず、桁違いの死者や健康被害が出ていてもほぼ救済されず、怪しさの点においてこれまでの予防接種とは明らかにレベルを異にする。
「副反応はゼロにはできない」という書き方はこの場合、誤魔化しではないのか。被害者や遺族に対しては接種医等から不誠実な言葉が向けられていることもあると聞く。
このようなものについて、より安全なものが供給されるような改善すらなされないままに打て打てと言われている現状に目をつぶりながら「副反応はゼロにはできない」という思考停止ワードを書き連ねた本を売り物にする行為は少なくとも私にとっては到底容認しがたい。
医師であるからこその思考停止・職業病のようなものだろうか。

繰り返すが、本のそれ以外の部分についてはとてもおもしろかったので、遺伝子や組替タンパク使用の薬剤に対して抵抗なく受け入れられるかたには、おすすめの本。


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