甘い生活
先日、結婚記念日だったので夫と二人、デートをしました。
15年経ちますが、いまがいちばん楽しいです。
一時期は「コイツとは離婚かな〜!!」と真剣に考えたこともありました。
でも夫婦なんてそんなもんじゃないでしょうか。ずっと幸せ、なんの問題もない、という夫婦もいるでしょうが、大抵は結婚と同時にゴングが鳴り、生活という容赦ない現実のリングで格闘するのが夫婦だと思います。
うちの場合は、勢いで結婚した20代、お互い不満爆発の30代を経て、やっと足並み揃った40代を迎えました。
特に30代のとき、ストレートに腹を割って本音を言ったのは良かったです。
自分が選んだ相手、一生一緒にいる相手に、全身でぶつかることもできないなら一人でいたほうがましです。
彼の誠実さや正直さを信じて賭けました。それが功を奏したわけです。
やっとお互いのテンポや地雷がわかって、いつもお互いを思いやり、機嫌良くいられるようになるまで試行錯誤して、そうして迎えた15年目。
数年前は考えられなかったことですが、
「結婚記念日だから二人でどこか行こう、車借りたよ。日帰りだからそんなに遠くに行けないけど、成田山はどうかな」
と夫が自分からすべて段取りを決めてくれました。
それだけでほんとにうれしいです。
なんで成田山?と思ったけど、別にどこだってうれしいんです。
そんなわけで、お久しぶりの成田山。
成田空港はよく来てますが、成田山は3年ぶりです。
息子が高校受験なので、お守りを買いに来たかったんだよ、夫が言いました。なるほどね!!
ちゃんと、家族のこと考えてくれてうれしいな。
お賽銭箱の前で手を合わせるとタイミング良く、デン、と太鼓が鳴り、読経が始まりました。
ラッキー!!
神社やお寺に来てお参りした瞬間に祝詞が始まったり読経が始まることが時々ありますが、偶然とはいえなんか「歓迎されてる感」があってそういう時は勝手にうれしくなります。
なんとなく見学してると、はじの扉から中に入ることができました。護摩焚きをしています。
ヤッタ。わたしは密教が好きなのでわくわくしていると、これまたタイミングよく、全員で不動明王を唱和するようにとお坊さんが言うではありませんか!!
キター
わたしにとって護摩焚きってフェスみたいなもので、真言は大好きな曲のサビみたいなものなんです。(怒られますかね)
「のうまくさんまんだーばーさらだーせんだん・・・」
正座して合掌して目を閉じていますが心はヒャッホウです。正直真言自体めっちゃ久しぶりなんですけど曲のサビといっしょなのですぐ歌える、じゃなくて唱えるのがまた楽しいわけです。
すっかりスッキリしました。
さて、成田山といえば・・・
「うなぎ!!ねえ絶対、鰻たべたい!!」
「いいけど」
「うなぎたべる!!うなぎうなぎうなぎうなぎ」
「だからいいって言ってんじゃん!!」
ここで一度はっきりさせておきたいことがあるのですが、わたしは鰻が大好きです。
絶滅危惧種パトローラーに非国民呼ばわりされても鰻が好きだ。おいしい。最高の食べ物。
保育園児の頃から通い倒している早稲田の老舗の鰻屋すず金が謎の休店中で、悲しみのあまり鰻から遠ざかっていましたが、なんといっても今日は結婚記念日です。
もはや行くところまで行くしかない。
はい来ました。
泣く子も黙る、川豊だ!!!!(さっきGoogleで調べただけなんですけど)
人生に一度来れたらじゅうぶんの超名店超老舗、今日という今日は、やってやる。
うな重、白焼き、う巻き、鯉刺し、肝吸い、糠漬け盛り!!!!
おれたちの15年、これでやっつけてやるぜ!!!!
おいしかったです。
内心すず金とそんな変わらないなとも思いましたが、もう雰囲気だけでも大満足。
わたしはそんなにこだわりとかある方ではないですが、それでも特別な日にそれなりにお金かけて名店に行くことはやっぱり楽しい体験ですね。
おなかもいっぱい、成田山も見終わったし、このあとどうしようかな〜とりあえずアウトレットとか道の駅とかまわりながらのんびり帰ろうかね、と車を走らせていると、
【酒蔵カフェ】
と書かれた看板がありました。
「酒蔵カフェだって」
「いいよ、行ってみる?」
「うん!!」
というわけで急遽その酒蔵カフェのほうに行くことにしました。
着きました。
アラッ
なかなか、いい感じです。
中は昔ながらの酒蔵を改装したカフェになっていました、そのままやないかい。
ほんとに数年前までの夫なら、こういう場所もほぼ興味を示さないつまらない野郎だったのに、ちゃんと意識を向けるようになって、成長したと思います。別に場所なんかどうだってよくて、こういうふうに二人で興味を持つのが楽しいわけです、二人で体験をシェアできることこそ一緒にいるいちばんの意味になるとわたしは思います。
おいしいね、と明るく顔を見合わせます。
この人が大好きと思います。
二人でお互い楽しくしようと工夫する、意識が合うから楽しくなるわけです。
何も変化なく、何も努力なく、好きでい続けられることはできないです。
わたしが夫といまこんな良い関係になれたのは、単に幸運だっただけで、夫婦仲良くしようにも、どちらか一方にその気がなかったらどうにもなりません。
もちろん夫婦は仲良くしたほうが絶対的にいいと思いますが、それができない状況もまた確実にあります、だから仲良くできなかったからといっても結婚に失敗したとか夫婦失格ということにはなりません。
自分が正直になれる環境を選べた人は何であれ基本的に成功だと思っています、それが離婚や別居などになる場合も当然あるし、それは自分の心が納得してたら良いことだと思います。
わたしは性格上、何事もとことんハッキリさせたい性分で、夫は芯の部分がやさしかったので、それに応えてくれて、夫婦仲良くが成立しました。
これからも成長と年月に応じた自然な変化をしながら、仲良くやっていきたいです。
夫婦っていいものだなと、ようやく心から思える15年目の結婚記念日でした。
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