脳と空間認識
ゲームっていろいろ哲学的だなと思うこと多いんですけど、たとえばいまバイオハザードっていうゲームをやってる最中なんですが、キャラクターの操作がけっこうたいへんです。
ドラクエみたいに十字キーを自由に動かすのと全然違って、バイオハザードはコントローラーの左右のスティックを同時に使わないといけないんです。
左のスティックはキャラそのものを動かすのに使います。
右のスティックはキャラの後方から視界をコントロールするのに使います。キャラの後方斜め上から別カメラで追っていくような感じです。
左でキャラを動かしながら、同時に右でカメラワークも動かす、バイオハザードはそうやって遊びます。
さらにゾンビやモンスターが襲いかかってくるので、左右のスティックを動かしながらLとR等のボタンを複数使って武器を構え、すばやく敵に照準を合わせて撃つということまでやらないといけないわけです。
時には逃げたり、弾を充填したり、閃光弾を投げたり、ナイフで戦うというようなことも複数のボタンを駆使して同時にやります。
なのでバイオハザードのようなアクションゲームをやったことがない人はまずコントローラーに慣れるまでが相当大変だと思います。
わたしはプレイステーションという据え置きゲーム機でバイオハザードを最後にやったのが16年以上前なのですが、このゴールデンウィークはバイオハザードre2を遊び倒したろう!!とすごい楽しみにしておりました。
そして数日前に、まんをじして16年ぶりにコントローラーを握ったところ、もう、自分でも青ざめるほどに操作方法をきれいさっぱり忘れていました。
自慢じゃないですけどバイオハザードは1996年の発売当初からめちゃくちゃ遊んでいたわけです。
筋金入りのプレイヤー、だから操作には自信があったのに・・・あったはずなのに・・・
DSとかスマホばっかりやってたら、すっかり退化しているじゃないか・・・!!
どんなに発達させたと思っても、使わない機能は退化するものなんだ・・・!!
と、衝撃を受けました。
もしか老化ってこういうことなのか、昔取った杵柄とかいうし、前はできてたんだから今だってよゆうでしょとか思ってたら完全に初心者に戻っているとは、時の流れとは何ておそろしいんだ。
人生油断は禁物ですね。
やはりこういうことがあると人は謙虚になれます、かつての我が栄光は失われたのだと素直に認め、初心に返って、いやまさしく初心者プレイヤーとして、清らかな心でコントローラーを握りまして、あらためて2019新生バイオハザードを遊ぶことにしたわけです。
するとアラ不思議、やってるうちにどんどん手が勝手に動いて、ちゃんと操作方法を思い出していけるではありませんか!!!!
ほら見たことか!!昔取った杵柄ってやっぱあるじゃん!!!!
さっきまでの謙虚さはどこへ行ったのか、こうなるとあっという間に空前のよゆうをぶっこき始めるから人は恐ろしい生き物です。
スルスルと動くキャラ、構える銃、ああなつかしのバイオハザード、16年ぶりよ、わたしついに帰ってきたわ、ラクーンシティに!!!!
と有頂天になっていたところ最初のゾンビにめっちゃ噛まれて死ぬほど血が出てしまいました。
あれおかしいな、何かがおかしい。
動けるんだけど何か強烈な違和感がある。
そこでようやく気づいたわけです、キャラの動きは問題ないのに、カメラワークがまったく出来てなかったんです。
なぜかわたし、常に見ようと思う方向と反対方向にスティックを動かしていました。
たぶん昔のアクションゲームはそうだった気がします。
たとえば三脚に固定してビデオ撮影するとき、対象物を追うとアームは自然と対象物とは反対の動きになりますよね。
あれと同じことがわたしの脳内で起きていたので、見るべき方向と点対称にスティックを動かしてしまっていたのでした。
一部始終を見ていたいまどきゲーム世代の息子は「そのほうがやりにくい!!」と笑っているのですが、昔取った杵柄のわたしの脳内ではバイオハザードのコントローラーはそう動かすというシナプスが出来上がっているので、困ったことになりました。
しかしそこは世界のバイオハザード、ちゃんとオプション画面でカメラ方向の切り替えが選べるのです!!さすがだね!!!!
というわけでわたしはカメラのみ「上下左右逆(息子爆笑)」という設定にしたところ、アラアラ不思議、もうまったく何の問題もなくスイスイ〜と動かせるようになりました、イエイイエイ!!!!
空間の認識の仕方ってすごいなと思ったわけです。
バイオハザードの世界で、わたしと息子は方向概念が真逆であるのに、同じように動いてるからおもしろいです。
それもすべて脳の機能だから、脳って本当に無限の可能性秘めてますよね。
そう思ったら、昔取った杵柄のままでいるのはなんかダメなような気がしてきました。
自分の脳の可能性を信じるなら、古いシナプスではなく、あらたにいまどき息子世代と同じ空間認識の回路だって作れるはずでしょう!!!!
というわけで右手の動きを、我が脳内のオプションからあらためて上下左右逆にセッティングし直すことにしました。
そう決めたら、できるもんです。
3回くらいプレイするうちに、わたしは空間への視点移動という右スティックの脳のシナプスの書き換えに完璧に成功し、キャラとカメラを連動してスムーズに動かせるようになれたわけです。
というわけでバイオハザード復帰から数日、以前とほぼ変わらないレベルで遊べるようになりました。
自分の年齢が上がるとともに、意識的に時代に合わせていく姿勢は大事にしたいと思っています。
下の世代から学ぶ意識があるからこそ、いつまでも挑戦する力を維持できます。
16年ぶりのバイオハザードを16年前にはいなかった息子とやりながら、なんかそんなことを考えてました。
ちなみに息子はスタンダードですがわたしはアシストモードでやっております。
息子にはそれもまた笑われまくっているのですが、自分のプレイスタイルはこれは昔からそうなんで、なんと言われようと平気です。
初見はね、様子見だから!!バイオハザードは!!!!
いろいろわかってから最終的にはハードモードまでやりこむのが自分ですから!!!!
だってねやり直しができるって、それがゲームの最大の醍醐味でしょう。
セーブ無し一発勝負のスーパーハードモードは、現実の人生のほうだけでじゅうぶんです。
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