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【エッセイ#6】異動を告げられて

2月末某日、上司から電話で呼び出されて滋賀県への異動を告げられた。
初期配属先である横浜で働いて4月で丸3年。いつかは来ると思っていた異動ではあるが、いざ言われると動揺を隠しきれず、その日はふわふわした気持ちで1日を過ごした。

自分のキャリアにとっても人生にとっても転機になるであろう異動を告げられた今の気持ちを文字に起こしておきたい。

まず最初に生じた感情は『寂しさ』だった。
今の職場は本当に優しい人達ばかりで、新入社員時代には「こんないい人達に囲まれて仕事してて良いのか?バチが当たらないか?」という謎の悩みをもっていた。
そんな幸せな環境で3年間を過ごす中で、お互いの人となりを知り、ある程度自己開示ができる(=素の自分でいられる)関係性を築いてきた。
友人だと思える同期も先輩も後輩もできて、人に対しても組織に対しても心を許せる『ホーム』になっていたんだなぁ、と異動を告げられた際の寂しさが教えてくれた。

これまでも学校やサークルなどホームから卒業する機会は多々あった。だけどそれは突発的なものではなかったし、何より一緒に卒業して寂しさを分かち合える仲間がいた。
だけど今回は違う。寂しさを1人で受けいける寂しさが苦しいんだろうなーと思う。

次に思ったことは、3年間の『通知表』が渡されるときが来たな、ということ。
自分が去るときに、周りの人からどんな言葉をかけて貰えるのか、どんな点が惜しいなと思ってもらえるのか。それは自分の想像以上なのか、以下なのか。もっと言うと、自分の存在価値とは何だったのか。

「楽しさ・ワクワク・活力を与えられる太陽のような存在になりたい」と常日頃思っていたし、今も思っている。
その思想に見合った行動が取れていたのか、影響を与えることができていたのか。
その結果発表(=通知表の授与)がもうじきなされる。楽しみでもあるし、不安でもある。

だけど、忘れちゃいけないことは、まだ1ヶ月時間があるということ。
終わりが見えた今、もう一段階エンジンをかけよう!かけたい!と素直に思える。
こんなにも寂しいと思わせてくれた人達のために、そして何より自分自身のために。

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