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【読書レポ#1】絶対悲観主義

いつもは読書メーターに感想や気付きをメモしているけど、特に面白かった本はnoteに書いてみようと思う。

Twitterか何かで情報が回ってきて気になって買った本。
個人的には、楽観主義 ≒ ポジティブでいたい!と常々思っているので、筆者が提唱する絶対悲観主義に興味が沸いて手にとってみた。

絶対悲観主義について延々と語られるのかと思いきや、それがメインとなっているのは第1章のみで、それ以降は幸福や健康、お金など身近なテーマについてエッセイ調で書かれている。
まずその語り口調が面白い(funny!)。そして示唆に富む内容ばかりで、なお面白い(interesting!)。Wで面白い本だった。

絶対悲観主義とは

「世の中は甘くない」「物事は自分に都合のいいようにはならない」、もっと言えば「うまくいくことなんてひとつもない」ーこれが絶対悲観主義です。
ただの悲観主義ではなく「絶対」がつくところがポイントです。何事においても「うまくいかないだろうな」と構えておいて、「ま、ちょっとやってみるか・・・・・」。これが絶対悲観主義者の思考と行動です。

「絶対悲観主義 p.17より」

これだけ読むと超ネガティヴな思考に見えるが、悲観を極めることは逆にポジティブなんだと思った。
絶対悲観主義になることで、仕事に対して気楽に向き合える。失敗を恐れなくなり、リスク耐性がつく。たまに上手くいったときは喜びが増す。そして悲観を良い意味で裏切る成功が続いたとき、地に足着いた自信が手に入る。

ネガティヴだからこそ、ペローナと戦えたウソップのような感覚(『おれは元からネガティヴだァ!!』)。
悲観を極めた最強の楽観。それが絶対悲観主義なのだと感じた。

幸福について

第2章「幸福の条件」では、幸せになるための条件について書かれている。その中でも特に『幸福の微分・積分』という考え方が印象に残った。

私見では、人は幸福に対する構えで微分派と積分派に分かれます。この分類は、その人が幸せを認識するメカニズムの違いに注目しています。例えば昇進したとか、自分の評価が上がったとか、直前と現在の変化の大きさに幸せを感じるタイプが微分派です。一方の積分派は、その時点での変化率よりも、これまでに経験した大小の幸せを過去から累積した総量に幸せを感じます。これは優劣の問題ではなくて、人間のタイプの違いなのですが、幸福の意味するところは微分派と積分派でわりと異なります。

「絶対悲観主義 p.37,38より」

まず、幸せを数学の微積の概念で考えるという視点が面白いと思った。
そして筆者は言及していなかったが、微分=現在&未来、積分=過去に軸足を置いた幸せの捉え方なんだと思った。

人生で波に乗れているときは微分的な捉え方で良いと思う。だけど、あまり上手くいってないなーと思うとき(今の自分がそう)は、積分的に幸せを捉えることで楽になれるかも。
これだ!っていう分かりやすい幸福がなくても、振り返ってみると凄く幸せだと言える。これは本当にそう。
「幸せって到達点(だけ)じゃないよな」っていう抽斗を手に入れた。

そして本章はこう締め括られている。

自らの頭と心で自分の価値基準を内省し、それを自分の言葉で獲得できたら、その時点で自動的に幸福です。「これが幸福だ」と自分で言語化できている状態、これこそが幸福に他なりません。

「絶対悲観主義 p.48より」

 
幸せの基準を世間や他人に置かないこと。これは絶対に忘れてはいけない。

筆者はお気に入りの名言を「名言ファイル」にメモしているらしい。
最後に幸福に関する名言を紹介する。

・「他人の幸福をうらやんではいけない。なぜならあなたは、彼の密かな悲しみを知らないのだから」by ダンデミス
・「幸福になるのは、自分の好きなものを持っているからであり、他人が良いと思うものを持っているからではない」by ラ・ロシュフコー
・「幸福とは自分が満たされることではない。他の誰かを満たせることだ。」by みたまん

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