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クラフトビールと歩む。

お酒が好きって言うのは、いつだって複合的な理由が絡んでいます。

お酒の味が好き、楽しい気分になれる、1日の疲れを癒してくれる、飲みながら仲間とワイワイすること、お店の雰囲気が好き、などたくさんありますよね。

全部、当たってる。

そんな私は、お酒が飲めるようになった20歳のときよりも、ちょこっと人生経験を積んだ今、カクテル以外にも色々な種類のお酒があることを知り、年々お酒の奥深さに魅了される大人となりました。

入り口は、クラフトビールでした。

そう、クラフトビールの味や見た目の多様性にすっかり魅了されてしまいました。

少女の時に知っていたビールは、父が家で飲んでいた黄金色のピルスナーだけだったから。ビールって、何も特別じゃない、日常の1コマに登場するだけの存在でした。

それが、大人になって、クラフトビールBARで、初めて黄金色じゃないビールを目にしたとき。そしてそれを一口飲んだ時。思っていた味と違っていた時。

私の知らない世界が一つ増えた瞬間でした。正直、「?」で頭がいっぱいでした。知らないカタカナがたくさん出てくる。スタイルっていうやつだ。

その知らなかった世界に足を踏み込んだら、想像以上に深くて、たくさんの人が汗水垂らして築いてきたものであって、心を込めて作られたと知った。愛が詰まってる。その瞬間、ただのビールという存在に過ぎなかったものが、私の中で「特別な」何かを期待させるものに変化したのです。

そこからクラフトビールのこと、たくさん調べて、少しずつ、知っていった。個性と多様性、たくさんの表情を持っていることが分かってきました。

そして、その時の気分で飲みたいスタイルをチョイスできる喜びと愉しみが増えたのです。それも、主体的に選ぶんです。

人間、生きていれば色々ありますよね。

喜怒哀楽、たくさんの感情を経験します。

私は今年、たくさんの無力感や哀しい想いを経験しました。そんな時、女の先輩が誘ってくれたんです。「クラフトビール飲みに行こう!」って。そうだ、彼女もクラフトビールの魅惑にハマった一人の人間だった。

初めて連れられてきた下北のクラフトビアバーでは、10種類くらいあって、本日のビールから何にしようか?メニューを見て味や世界観を想像していました。

哀しい色で心が覆われていた私が、主体的に「これが飲みたい」って選んだのは、IPAでした。苦くてパンチがあるものが飲みたかったんですね。今の自分の哀しみを払拭するためには、ホップがガツンと効いたIPA以外にないだろう。

案の定、IPAのビターな味わいが舌を覆った。そして、時間の経過と共に、哀しい心をも覆っていくような感覚に陥っていきました。BARの空間がまた、心地良い。

先輩は、私の話を「分かるよ。分かるよ。でも、前向いて欲しいねん。」と励ましてくれていました。

いつしか、2軒目をハシゴするためにビアバーを後したときには、気持ちは苦味で麻痺ってたかもしれない。

そんでもって、次は優しい味わいのクラフトビールを求めている自分がいた。ヴァイツェンかホワイトエールかな。

すっかり自分に自信を失いかけていた時でも、クラフトビールは私が飲みたい選択肢を、提供してくれていた。そして、気持ちに寄り添ってくれるような存在になっていたのね。

どんな時だって、色々な感情をシェアしてくれるお供であってくださいな。私はクラフトビールの魅惑に、さらにハマってしまったようです。

今後ともお世話になります。

Emi

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