#32令和堕落論③

今日のお勉強。まとめブログの様相

まず肝に銘じておかなければならないのは、国や組織や家庭を腐らせる人を変えるのは至難の業ということである。ほとんど不可能に近いといっても過言ではない。その理由として次の四つが挙げられる。
①たいてい自己保身がからんでいる
②根底に喪失不安が潜んでいる
③合理的思考ではなく感情に突き動かされている
④自分が悪いとは思わない

③何にでもケチをつける人や事実無根の噂を平気で流す人、あるいは陰で足を引っ張る人の根底にはしばしば羨望が潜んでおり、ときには嫉妬もからんでいる。羨望は他人の幸福が我慢できない怒りであり、嫉妬は自分の幸福を奪われるのではないかという喪失不安だが、いずれも非常に陰湿な感情である。
④自己正当化は嘘よりも厄介だ。なぜかといえば、嘘をついている人には、その自覚があるが、自己正当化は知らず知らずのうちに行われ、その自覚がないからだ。当然、自分が悪いとは思わないし、反省も後悔もしないので、同じことを繰り返す。
この傾向、つまり反復強迫は、自己正当化が功を奏して周囲から許容されたり黙認されたりした過去の成功体験が大きいほど強まるように見受けられる。もっと厄介なのは、自分には「例外」を要求する権利があるという思いが確信にまで強まっているタイプであり、フロイトは〈例外者〉と名づけた(「精神分析の作業で確認された二、三の性格類型」)。〈例外者〉は、法律あるいは世間一般の常識では許されないようなことでも自分だけは許されると思い込みやすい。


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