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中江広踏の連載小説のまとめ他
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#昭和

千本松渡し a story     #1/6

  一、北村まゆみから南希美子へのメール   南 希美子 様  「夏花」届きました。お手数をおかけしました。コピーを送ってくださいとお願いしたら現物が届きました。考えてみると、何ページもコピーする方がかえって手間でしたね。いつもの事ですが、私の考えが浅かった。でもこれで我が家に一冊しかなかった「夏花」が3冊揃ったので、私もようやく父が高校時代に書いた「幻の短編小説」の全容を読むことができます。同時に、南おじさんの高校時代の詩も。希美子おばさんが書かれた「虎とホーキ星」に

千本松渡し a story     #2/6

二、 北村淳一の小説「千本松」     「千本松」                              北村淳一  「君見ずや、黄河の水天上より来たるを」って漢詩、知ってます? よほど漢詩が好きじゃないと普通の人は知らないですよね。ぼくは漢詩が好きなんです。ちょっと変わってるでしょう? きっと、高校で教わった先生の影響だと思います。「君見ずや、・・」というのは、その先生に教わった漢詩の一句なんですよ。いかにも李白らしい雄大なイメージの句